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オレ設定注意 現代ゆっくりモノ注意 ゆっくりが好きな子供 僕はゆっくりが好きだ 僕はゆっくりが好きだ 僕はゆっくりが大好きだ なぜ?と聞かれるのも多い 世間のゆっくりの認識は二つに分かれる 「ウザキモかわいい」と「害虫」だ 前者はそのふてぶてしい態度でありながら愛くるしい姿とのギャップ 後者は勝手に家を荒らしたり、全てを自分のもの宣言する無謀さ故 しかし後者は異例という奴だ。現に僕の住む町にはそういったゆっくりはいない 僕はゆっくりが好きで飼ってみたいけど、お国の法律で15歳からとの決まりがある ゆっくりは人語を解し、喜怒楽愛の感情で表情を変えるナマモノだ 中身が饅頭である不思議ナマモノとはいえ、お国はこのナマモノを飼うのは子供からでは早いと判断したのだ 子供は残酷だ。僕もそうであった なにせ好奇心で虫さんを実験という名目で弄べる 大きな反応をするゆっくりは子供に悪影響を与えかねないと決めたわけだ。悲しい。僕はあと5年も待たなければならないのか 8つ上の兄はゆっくりを飼っている。ただし愛で用ではなく、虐待用でだ 僕は兄の事が好きだ。遊んでくれるしお菓子だって買ってくれる。勉強も見てくれる、優しい兄だ でもゆっくり関係ではたぶん相容れない それも兄も分かってるようで僕と遊ぶ時はゆっくり関係の話は出さない。紳士だ。惚れる でもね、町を歩いて裏の林に行けば飼わなくても沢山のゆっくりに会える 僕はそれで満足だ。だってね… 「ゆっくりしていってね!!」 僕は大きく声を出すと… 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 たくさんの可愛いゆっくりが返してくれた ぷにぷにとした頬、下膨れした顎、さらさらとした髪、ふてぶてしい顔 ああ、可愛いなぁ。思わず抱きしめちゃったよ 「ゆゆ、ゆっくりしていってね!」 おっと、ちょっと力を込めすぎたようだ。苦しい顔をしてるゆっくりを離すと他のゆっくりがぺろぺろとしている そんな微笑ましい光景を見てて思わずにやける僕。おお、きもいきもい 「おにーさん、ゆっくりしていってね!!」 「うん、ゆっくりしてもらうよ」 僕はニコニコとゆっくり達の中心で座り込む 数は10匹程度だろうか?オードソックスのまりさとれいむ。後はありすか ポケットから袋包みからあるものを取り出す。開けるとそれは甘そうな餡子だ ゆっくりが好きで時々出かける際に兄が僕に渡してくれるものだ 兄曰く、「ゆっくりは饅頭だからか、甘いものが大好きだそうだ。オレンジジュースで再生するし…本当に意味不明なナマモノだぜ」 兄はツンデレだと思う。ゆっくりを虐待するのにゆっくり好きな僕にはこんなに優しくしてくれるんだからね え、なんでツンデレを知ってるって?最近の子供は流行に早いんだよ 「ゆゆ!とてもあまいにおいがするよ!」 「おにーさん、とってもゆっくりしてるにおいがするよ!!」 ゆっくりも餡子の匂いを嗅ぎつけたようだ 「じゃあ、これをあげるね。とってもあまいよ」 僕は餡子をゆっくりにあげると目をキラキラしてくれた 「おにいさん、ありがとうね!ゆっくりできてるよ!」 「うめぇ、めっちゃうめぇ!おにいさん、ありがとう!」 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 これがあるからゆっくり好きがやめられない 見てごらんよ、ゆっくりの可愛さを。あんな幸せそうな顔をするだけで僕も幸せになれるよ 「おにーさんはたべないの?」 れいむは僕に餡子を食べないのかと聞いてきた うーん、でも僕は… 「ごめんね、僕は甘いのが苦手なんだ。ほら、食べていいよ」 軽い嘘を付きながられいむの頭を撫でて餡子をあげるととても喜んでくれた 本当は好きだけどゆっくりのために我慢をするのさ すると他のゆっくりが集まってきた。どうやら撫でて欲しいようだ 「可愛いなぁ、本当に」 夕暮れが近くなると僕は家に帰ろうとする これ以上帰りが遅くなるとパパとママも心配するだろうからね 「じゃあ、またね」 「ゆっくりきをつけてね!」 「またあおうね!!」 僕はゆっくりと別れるとゆっくりと家に向かう あ、でも、僕は女なんだけどなぁ…髪が短いからゆっくりにすらよく間違えられるしどうしようかな れいむは逃げていた ゆっくりせずに全力で逃げていた 「ゆっくりしね!ゆっくりできないゆっくりはしね!!」 なぜこんな事になったのだろう 優しい人間さんとゆっくりして、美味しいものを食べさせてくれて、頭を撫でてくれて… れいむは逃げていた 同属であるゆっくりから 「ここにいたよ!どうぞくごろし!ともぐいまりさめ!」 「ゆっくりしていってよ!ゆ゛っぐりできない゛ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 れいむとは別の何処かでまりさがゆっくりからリンチを受けていた リンチをするゆっくりは嬉々とした顔などではない。むしろ鬼気迫る勢いだ 「ゆっくりしね!」 「いだい゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 ゆっくりの噛み付きがまりさの底部に傷を付ける これでは跳ねたりする事はできない。もはや逃げる事は出来ないのだ みんな…やめようよ。ゆっくりしようよ… 「ゆっくりできないまりさをそのまましね!」 「いや゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!も゛ぉっどゆ゛っぐりじだがっだぁぁぁぁぁぁぁ!」 ありすは夫であるまさりに攻撃をうけていた 「い゛だい゛!まりさ、やめて!」 「ありすはともぐいゆっくりだからゆっくりしね!」 巣に戻り、夫婦としてゆっくりしようと思ったら豹変した夫に嬲られる ありすはショックだった。あの優しかったまりさが自分に攻撃してくる事が 「こんなゆっくりとけっこんするじゃなかったよ!ありすはしんでね!」 「どぼじでぞか゛な゛ごとをい゛うの゛おぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!」 信じられなかった。ありすは目の前の事が信じられなかった 無抵抗になるありすはゆっくりと意識を失っていった 「ゆぅ…ゆぅ…ゅぅ…」 れいむは走りつかれていた 自分を殺しにかかるゆっくりから逃げるために全力で走れば疲れるのは当然であろう ゆっくりは体力がないほうですぐに息切れしてしまう だが殺しに掛かるゆっくりは違う。疲れなど知らぬと言わんばかりにやってくるのだ れいむは恐怖した。このままではゆっくりできなくなる。この町から離れなければ… 「ゆっくりいくよ…」 前に跳ねようとするその時 「ゆっくりしね!」 物陰に隠れていたゆっくりありすに体当たりをまともに食らってしまった 「ゆぎゅあ!ゆっくりできないよ!もうおうちかえる!」 思わず本能で言ってしまうれいむ。すぐに逃げようとするがもう遅い れいむを取り囲む数十匹のゆっくりによって取り押さえられてしまった 「ゆ…ゆっくりしていってn」 「うるさいよ!ゆっくりしね!」 せめて自分の言葉を伝える事すら適わずリンチが始まる 「こんなきたないりぼんなんていらないね!」 「ゆゆ!れいむのりぼんかえしてぇー!」 「ゆっくりかみをぬくよ!」「ぬくよ!」 「ゆべあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?れいみゅのかみがぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 「たぷたぷなほっぺだね!」「おお、ひまんひまん」 「ゆぶぅぅぅぅぅぅぅ!!??あんこさんもれちゃう!かわをやぶかないでぇ!」 「ゆっくりできないおめめなんかつぶしたほうがいいね!ゆっくりつぶれてね!」 「ゆぼえ゛あ゛べあ!?でいぶの゛お゛め゛め゛があ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 ゆっくりのリンチは10分近くに及ぶ れいむがどれだけ泣け叫んでもゆっくり達はリンチを緩めない ゆっくりが離れてまた別のゆっくりできないゆっくりを探しに行く 後に残るのはれいむの原型を留めないボロボロの饅頭であった… 惨劇はまだ終わらない 夜に響くゆっくりの悲鳴は途絶えることが無かった 「あー、やべ。渡した餡子がゆっくりの飾り混ぜじゃん。あれ食べたゆっくりは気づかないけど他のゆっくりから リンチを喰らうんだよなぁ…糞!ゆっくりを苦しめるのは俺の役割だと言うのに…!!」 「お兄ちゃん、ご飯だよー。早く部屋からでなよー」 「わ、わかった。今行く。はぁー、ばれたら妹に殺されるかな?まぁ食ったゆっくりはもうリンチ喰らって死んでるだろうし平気かねぇ?」 (おわり) このSSに感想を付ける
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※注意 現代ゆっくりモノ。でも舞台は山奥。 オリジナル設定あり。 歯の無いゆっくり設定です。 まりさの中身が黒ゴマのタレになってますが俺設定です。 秋。 山々は鮮やかに色付き、実り多きこの季節。 気候も穏やかで食べ物もおいしい、過ごしやすい時期ですね。 しかし、動物たちにとっては危急存亡の秋。 来たるべき冬に備えて、食べ物をこれでもかと集めなければいけません。 秋は動物たちの戦いの季節なのです。 世界の動物たちの生活苦をお茶の間にお届けするドキュメンタリー、 『地球・高みの見物』 本日のテーマはこちら。 「ゆっくりしていってね!」 そう、珍妙不可思議摩訶不思議和菓子、『ゆっくり』です。 日本の豊かな山々には今でも、多くのゆっくりが生息しているのです。 今日は皆さんとともに、ゆっくりたちの冬ごもりの様子を観察してみましょう。 ※ ここは日本のとある山、――その中腹。 登山道から離れた、人の手の入っていない山林です。 11月に入るとすっかり肌寒くなって、虫たちは一足先に姿を消しました。 紅葉も盛りを過ぎ、今は落葉の時期。羽のように舞い散る落ち葉が地面に降り積むと、 カサ……カサ……という囁き声があちこちから聴こえてくるではありませんか。 そんな絵葉書のような秋景色のなか、 斜面にぽっかりと開いた巣穴がありました。 ゆっくりの巣です。 その巣穴から今、一匹のゆっくりまりさが飛び出してきましたよ? 「ゆーーーーっ!」 まだ小さいまりさは、秋晴れの空を見上げて気持ちよさそうに伸びをすると、 くりくりしたおめめでお空にあいさつをします。 「ゆっくりしていってね! ――ゆ゛っ!?」 なんということでしょう。 横合いから滑り込んできた小鳥が、まりさをくわえて飛び去ってしまいました。 「ゆ゛ぅぅぅぅ! おりょしてぇぇ!!」 ぴちぴちとお尻をふって逃れようとするまりさ。 しかし小鳥はくちばしの先にまりさをぶら下げたまますっ飛んでいきます。 どこへ行こうというのでしょう。 厨性能リモコンカメラで追ってみましょう。 小鳥が目指したのは、少し離れた場所にある一本の木でした。 羽ばたきながら空中に留まり、なにやら枝を捜していますよ? 暴れていたまりさは、すでに危機感を忘れてお散歩気分です。 「ゆっ? ゆっ? おしょらをとんでるみた――い"っ…!?」 なんということでしょう。 電光石火の早業によってまりさは枝に串刺されてしまいました。 「ゆげぇっ! いぎぃ! いぢゃいよ!! おろじで! もうおうちかえりゅうぅぅぅぅ!!!!!」 激痛のあまり悶絶するまりさ。 なんとか逃れようと暴れますが枝が上下に揺れるばかり。 「ゆぎゅううういぢゃいぃ! うごがにゃいでしんじゃううううううぅぅぅ!!!」 枝の揺れによって傷口は広がり、ゆっくりまりさの命ともいえる黒ゴマのタレが撥ね滴ります。 そのことを理解したのか、それとも動けないほどに弱ったのか。 たっぷり5分ほど苦しんだ後、まりさはようやく身動きを止めました。 枝の動きが徐々に弱まって、やがて止まるまでにさらに30秒かかりました。 そこには……。 「ゆ゛……、ゆ゛……」 すでに虫の息。 砂糖水の涙とゴマダレの血にまみれ、苦痛に悶える表情は赤黒く、 ただただ中身を吐いてしまわないよう堪えることしかできない饅頭がそこにいました。 元凶である小鳥は、そんなまりさを散々つつきまわした後、 食べもせずに飛び去ってしまいました。 どうやら、モズだったようです。 モズには『はやにえ』と呼ばれる、餌を木の枝などに串刺して保管する習性があります。 よくよく見渡してみれば、この辺りの枝々には何頭ものゆっくりが刺さって居ました。 木の葉の降り積む音にかき消されてしまいそうな弱々しいうめき声が、 そこかしこから聴こえてくるのがお分かりでしょうか? このまりさは助からないでしょう。 我々にできることといえば、記憶力の悪さに定評のあるモズが、 早贄にしたまりさの位置を忘れてしまわないよう、祈る事だけです。 ※ ゆっくりの巣に戻ってみましょう。 巣の前にはゆっくりの家族が出揃っていました。 1番大きな1頭は親まりさ。 子まりさが2頭、子れいむが2頭。 さきほどの子まりさも合わせれば、計6頭のゆっくり家族です。 「いーち、にーぃ、たくさん……。 ゆ! みんなそろってるね! これからごはんをあつめにいくよ!」 親まりさは子供たちの顔を見回して、満足そうに頷きました。 子どもゆっくりが、その場で跳びはねながら騒ぎ立てます。 「ゆー! おにゃかすいたね!」 「れいむがいっぱいたべるよ!」 「まりさがさきだよ! おなかがすいたからみんなのぶんもむーしゃむーしゃするね!」 「ゆ! おかあしゃんはさっさとごはんをよういしてね!」 どうやら、頭の足りないゆっくりたちは1頭足りないことに気づかなかったようです。 親まりさを先頭に、今日の狩場へと向かいます。 たどり着いたのは、巣から15メートルほど離れた林の中。 木々に囲まれ、落ち葉の敷き詰められたそこは、ちょっとしたお庭のよう。 ぱっと見ではわかりませんが、木の実もキノコも豊富にありそうです。 落ち葉や木陰に隠れて、ゆっくりたちに探し出されるのを今か今かと待ち構えています。 「ゆっ! きょうはここでかりをするぜ! ごはんをここにあつめるんだぜ!」 なれた様子で指示を出す親まりさ。 子ゆっくりたちは飛び跳ねながら返事をします。 「「「ゆー! いっぱいたべるよ!」」」 ゆーゆー喜びに沸く子ゆっくりたち。 しかし親まりさは頬を膨らませると子どもたちを叱りつけます。 「まだたべちゃだめだぜ!! まずはふゆごもりのじゅんびがさきなんだぜ! かってにたべるわるいこにはおしおきだよ!」 「「「ゆー……。ゆっくり、りかいしたよ……」」」 子供たちは不満そうな顔。 しかしこの家族は親まりさの力が強く、表立って逆らうような子はいませんでした。 ※ 数時間後、受け皿にと敷かれた大きな葉の上には山の幸がひしめいていました。 艶めくドングリや肉厚の茸を中心に、クルミやマタタビ、アケビ、サルナシ、ケンポナシ……。 見ているだけでうきうきしてしまう御馳走の数々です。 元気よく跳ねていった子れいむが、どんぐりをくわえて戻ってきます。 子まりさがころころと胡桃を押し転がしてきます。 「ゆーー! おかあさんすごいよ!」 子ゆっくりが騒ぎ出しました。 親まりさがくわえてきたのは、柿ですね。 根っからのスイーツであるゆっくり達にとって、 あまあまの果実はこの上ないご馳走になります。 「「「やったね! きょうはごちそうだね!」」」 「もちろんだよ! かきさんはきょうじゅうにたべちゃうんだぜ! だからみんなもがんばってごはんをあつめるんだぜ!!」 士気の上がった子ゆっくりたちは、おうたをゆんゆん歌いながら食料集めに精をだします。 おや……? 1頭だけ騒ぎに参加していない子まりさがいましたよ。 木陰に隠れるようにして何やら怪しいそぶり。 近づいてみましょう。 「そろーり、そろ~り……」 地面に体を押し付け、高く上げたおしりをふりふり、はいずるようにして進む先には……。 キノコがありました。 赤くてイボイボしたキノコはそれなりに食いでがありそうです。 「これはまりさのなんだぜ……! だれにもわたさないよ!」 つぶらな瞳をきらきらさせながら、独り占めをもくろんでいます。 「ごはんはみんなまりさのだぜ! まりさをゆっくりさせられないおかあさんはゆっくりはんせいしてね! むーしゃむーしゃ!」 ためらいなくキノコにかぶりつきました。 その途端、あまりの美味しさにほろりこぼれる涙。 感動に打ち震えながら、子まりさは一心不乱にキノコを咀嚼します。 「ゆゅ~ん! しあわせ~! おいしいよ! このきのこすごくゆっくりしてる! これはきっとまつたけだね!」 ベニテングダケです。 有名なこの毒キノコは、意外にも強烈な旨み成分を含んでいます。 しかし、旨み成分の正体は毒素の一つイボテン酸。 食べれば急性アルコール中毒にも似た症状を引き起こします。 まりさにも、さっそく効果が現れたようです。 「む~しゃ……、ふぅ、む~しゃ……、ゆぅ……」 まりさはキノコを食べながら、よだれを垂れ流していました。 目からは涙がとめどなく溢れ、体の表面からは汗らしき砂糖水が噴き出しました。 とてもダルそうです。 「おいしくないんだぜ……。 これが『ひとりでたべるごはんはおいしくない』ってことなのぜ……? やっぱり、みんなといっしょにごはんにすればよかったね……」 子まりさは食べかけのキノコを放置して、家族の下に戻ろうとしました。 するとどうでしょう。 横倒しに地に転がり、そのまま動けなくなってしまいます。 「ゆ? ゆ……? どういうことなの……? めまいがするぜ……はきけもだぜ……この、まりさが、きぶんがわるいのぜ……?」 混乱するまりさ。そこにお姉さんれいむが通りかかります。 「まりさー! どうしてねてるの! おかあさんにおこられるよ! ぷんぷん!」 「ゆんゆんゆんゆんゆんゆんゆんゆんゆんゆん」 「まり、さ……?」 子まりさは横に転がったまま、細かく痙攣していました。 半開きの口からゆるゆると唾液を垂れ流しています。 目は虚ろ。力ない微笑みを浮かべる表情には生気が感じられません。 完全な前後不覚です。 「ゆー! おかーしゃーん!! まりさが……」 あわてて呼んだ子れいむのもとに、親まりさと子供達が駆けつけます。 痙攣する子まりさを見下ろすなり、親まりさは言いました。 「どくきのこをたべたね! もうたすからないよ!」 「どぼじでぞんなごどいうの! たすけてね! いもうちょまりさをだずげで!」 「おかあさんはたすけないよ!」 「「「ゆうぅ!! どぼじで!??」」」 とりみだす子ゆっくりをよそに、親まりさは冷酷なまでに冷静でした。 中毒を起こして横たわる子まりさを、無表情に見下ろします。 「このこは、だまってつまみぐいをしたんだぜ。 いいつけをまもっていれば、おうちでゆっくりたべられたのに……。 みんなよくみておいてね。わるいこはくるしんでしぬのぜ」 子ゆっくりたちは息を呑み、身を寄せ合いました。 家族に取り囲まれたまま、つまみぐいした子まりさは痙攣を繰り返します。 「おがあひゃんたしゅけれ、みふれないれね……」 ろれつの回らない声で助けを求めては、 しゃっくりのような痙攣を繰り返し続け、 後から後から湧いて出るガムシロップの汗に塗れながら、 子まりさはゆっくりと衰弱していきました。 「このぐず! きのこにゆっくりできなくされるなんて、ばかなこだね!」 「ゆぅ……! どぼじで、ぞんなごどいうのほ……」 「おまえが! ゆっくりできないわるいこだからだよ!」 「ゆ、ぅ……。ごべんだたい……。もう、……しにゃいきゃら……」 親まりさは死に行く子まりさに罵倒を続け、 子まりさは絶望と苦悶に抱かれたまま、 最後は『ぱぴぷぺぽ』と繰り返すだけの生物に成り果てました。 「……ほかのこどもたちは、あつめたごはんをおうちまではこんでね」 「「「ゆっ……! ゆっくり、りかいしたよ……」」」 子供たちは言いつけを守り、餌を口に含んで巣へと運び始めます。 子ゆっくり達がいなくなると、親まりさは枯葉を集めて、 壊れた子まりさの上に被せていきました。 ※ 集めた餌を口に入れて運ぶ方法はとても効率が悪く、 親まりさが帽子に入れて運べる分を合わせても、 何往復もしなければなりませんでした。 ゆ! ゆ! と鳴きながら巣穴に飛び込んだゆっくりは、 部屋の奥にある食料広場に餌を吐きためていきます。 しかし……。 「どうしたのぜ? はやくたべものをはきだすんだぜ!」 「ゆ……、ゆぅ~~! でてこないよ!」 子れいむの1頭が、運んでくる最中に食べ物をむーしゃしてしまった様です。 跳ねて動くゆっくりが口の中に物を入れて運べば、そういうこともあるでしょう。 まさかのミスに涙目になる子れいむを、親まりさは許しませんでした。 「ずるをしたね! ゆっくりしないで、もどってごはんをさがしてくるんだぜ!」 「ゆ゛!? わかったよ! おがあざんもてづだってね!」 「いやだね! ひとりでやるんだよ! できないのならでていってね!」 ぐずる子れいむを突き飛ばして巣の外に放り出しました。 あわてて巣に戻ろうとするれいむですが、 ふくらんで入り口をふさぐ親まりさに阻まれて入れません。 しばらくするとあきらめて、泣く泣く森の奥へと消えていきました。 親まりさは、わが子の後ろ姿が見えなくなるまで見送ると、 巣の中へと引き返していきました。 ※ 自然は非情の世界です。 その自然界に生きる野生動物は、子供といえど甘えは許されません。 最弱の名をほしいままにするゆっくりともなれば、尚更です。 知恵のあるゆっくりは、冬篭りの時期になると子供たちを間引きます。 賢く従順なゆっくりを生かし、ぐずで反抗的なゆっくりを切り捨てます。 そうして群れを縮小し、生存の確率を高めるのです。 一見残酷なようですが、未熟な子どもたちを越冬させるのは至難の業。 それができるのは、このような厳しさを持った親ゆっくりなのです。 ※ 「ゆ……。おかしいよ……」 親まりさはおひるね中の子ども達を数えて、気づいてしまいました。 今日1頭死んで、1頭追い出し、 巣に残っているのは、たったの2頭……。 本当はもっとたくさんいたのです。 つがいの親れいむが筍を踏んで貫かれ、 手をこまねいているうちに青竹となった筍に乗って天に召されて以来、 親まりさはまりさ手一つで子ども達を育てました。 いち、に、たくさん……。たくさんのたくさん。 にぎやかなほどのたくさんの子ども達がいたはずなのです。 春が過ぎ、夏が来て、秋となり、冬を前にして たった2頭。 気づかぬうちにごっそりと居なくなっていたことに、親まりさは愕然としました。 「ゆぅ……」 気丈に振舞ってきた親まりさでしたが、ゆっくり限界が近づいていたのです。 「おがあじゃんんん」 残された子まりさと子れいむが擦り寄ってきます。 「どうしたの? ゆっくりねてていいからね!」 「しゃむいよおおおお」 「ゆ? どういうこと……!?」 寒さを訴える子ども達。確かに、巣の中は冷え切っていました。 感じる寒さをたどって、巣の入り口から外をのぞいてみると……。 「……どういう、ことなの……?」 雪が降っていました。 まだ11月だというのに、一足早い初雪が山に訪れたのです。 それも重く大ぶりなボタ雪が、風景を塗りつぶさんばかりに降りしきる有様。 これでは今日中に巣穴を閉ざさなければいけなくなるでしょう。 親まりさは巣の入り口から外を眺めていました。 自ら追いやった、あの子れいむが気がかりなのでしょう。 そしてついに、親まりさは判断を誤ります。 「みんな、おかあさんはそとにでてくるよ! どこにもいかないでまっててね!」 親まりさは吹雪く山野に臆することなく飛び出していきました。 ※ 厳しい親ゆっくりがいなくなった事で、巣にはだらけたムードが漂いました。 親まりさの厳しさによって統率していた群れです。 その頭がいなくなれば、気が緩むのも当然のこと。 「そろ~り……、そろ~り……」 まだ赤ゆっくりに近い子れいむが、地面を這うようにして進んでいます。 目指す先は当然、食料の山です。 「あんにゃにごはんをあつめたのに、あれしかたべしゃせてくれないなんちぇ、 おかあさんはけちだね! ゆっくりできないよ! れいみゅはしょだちざかりなんだよ……、あれっぽちじゃたりにゃいよ……!」 「きのうも、そのまえも、ごはんがすくなかったのぜ! これじゃまりさたちが『あじみ』してしまうのもむりがないことなんだぜ!」 子れいむの後ろから、止めるべき立場の姉まりさまでついていきます。 「そろーり! そろーり!」 「そろーり! そろーり!」 2頭は匍匐前進のかっこうで食料庫へと忍び寄っていきました。 ……食事量が少なかったのは、親まりさの知恵でした。 冬ごもり中の節約生活に向けて、体を慣らすためにした事だったのです。 そんな考えは露知らず、子ゆっくりたちは本能のままに行動します。 ついさっき追い出されたれいむや、命令無視で死んだまりさのことなど、 すでに餡子脳には記憶されていないのでしょう。 かくして餌山の麓にたどり着いたゆっくりたち。 よだれは止め処なく、瞳はゆっくりしたごはんの姿にきらめいていました。 バリ……、コリコリコリコリ……。 「ゆ?」 ゴリ、コリ、……サクサクサクサク。 餌の山の向こうから物音が聴こえてきました。 「ゆ!? むこうがわで、だれかがごはんをたべるおとがするよ!?」 「きっとまりさかれいむだね! ずるしたゆっくりにはおしおきだぜ!」 2頭のゆっくりは義憤にほほを膨らませ、いそいで不届き物の元へと跳ね向かいました。 そこには――。 ※ ところで話は変わりますが、 ゆっくりに『歯』は無い。という話をご存知でしょうか? 大根などをたやすく噛み砕く映像から、強力な顎を持っていると思われてきたゆっくり。 しかし解剖実験をおこなっても、歯にあたる部分は発見されませんでした。 これは、ゆっくりが噛み切る際に使うのが歯ではなく、 人間で言うところの唇にあたる部分だからです。 ゆっくりが口内で分泌する溶解液は、人体や動物にとっては害の無いものですが、 野菜や昆虫などに対しては強力な効果を発揮します。 この溶解液の力を借りて、野菜などを唇で挟み、溶かし切っていたのです。 野菜や虫を主食とするゆっくりには便利な能力ですが、問題が一つ。 ゆっくりは水に弱いという性質上、雨をやり過ごすための巣が必要不可欠です。 成体ゆっくりが出入りできるほど大きく、入り口が下向きで水が流れ込んでこないような。 歯もなく、爪もないゆっくりに、 そんなゆっくりプレイスを構築することが果たしてできるでしょうか? 当然、不可能です。 そのため、ゆっくりは他の動物の巣穴をたびたびのっとります。 あるじが居ない間に上がりこみ、帰ってきた巣の主を威嚇して追い返し、奪ってしまうのです。 ゆっくりが人に対して見せる『おうち宣言』は、 巣が必要不可欠でありながら自作できないゆっくりの、必死の行動だったのです。 ――これに目をつけた動物が『オオヤムジナ』です。 オオヤムジナはアナグマの一種で、鋭い爪を駆使して穴を掘り、そこを巣とします。 それだけならば普通の動物に過ぎませんが、オオヤムジナには特筆すべき習性があります。 ゆっくりに巣を貸すのです。 オオヤムジナはその穴掘り能力を使い、ゆっくりが住み着けるような巣をいくつも作ります。 入り口が下を向いていて雨水が入り込まず、広々としている快適な巣穴をです。 そしてそれらの巣と、オオヤムジナの巣は壁一枚を挟んで隣り合っているのです。 冬が始まり、ゆっくりたちが餌を集めて入り口を閉じ、冬ごもりに入ると…… オオヤムジナは奥から壁を崩して乱入します。 自ら逃げ道をふさいだゆっくりたちに逃れるすべはありません。 ゆっくりを先に捕食して、集めてあった食料は後の備えにします。 作った貸し巣穴にゆっくりが入居すればするほど、かれらの食料庫は充実していきます。 この習性が、アパートを貸す大家さんの家賃取立てに見えることから、 オオヤムジナの名前がつきました。 つまり、2頭の子ゆっくりが目撃したのは――。 ※ 2頭の子ゆっくりが目撃したのは、 冬ごもり前の食事量の少なさに不満を感じ、 親の居ぬ間に冬用の食料に手をつけていた、 『オオヤムジナ』の子どもだったのです――。 2頭の子ゆっくりは驚きました。 「ゆぅ! どうしておうちのなかにいるのぉぉぉぉ!!」 「さっさとでていってね! ここはまりささまのゆっくりぷれいすだぜ! あとかってにごはんをたべないでね! それはまりさのだよ!」 食って掛かったのは姉まりさです。飛び跳ねてムジナの足に体当たりをしかけ、 跳ね返されるやいなや、ほほを膨らませて威嚇を始めます。 ぎょろりと、 ムジナの子は首を振り向けてまりさを見下ろしました。 同じ子供といえど、ムジナの体長は30センチほど。 あんまんサイズの子ゆっくりなど食いでのある獲物に過ぎません。 しかし、生き物の顔の部分しか認識できないゆっくりは、 ムジナの顔の大きさだけを見て、格下と判断しました。 「ゆっゆっゆ! おまえなんてまりささまがけちょんけちょんにしてやるぜ!」 「ゆ~。おねいちゃんすごいよ! やっちゅけちゃえ~!」 雄々しい姉まりさの後に隠れて、子れいむは余裕の声援を送りました。 しかし、一陣の風が吹き抜け、 姉まりさの姿は空間ごと削り取られたかのように消え去りました。 「……? ゆ?」 事態を把握し切れず呆然とするれいむ。 その目の前に、湿った音響とともにかつての姉が跳ね返ってきました。 なんということでしょう。 斜めに入ったムジナの爪が下腹部と口とを深々と抉り抜き、 ぽっかりと開いた大穴から、ゴマダレが仰向けに倒れたまりさの顔面を流れ滴って、 頭の下敷きになっているおぼうしの中へと、とぷとぷ注ぎこまれているではありませんか。 「……ゆ、……ゆ゛んや゛ぁ~~~~!!!」 泡を食って逃げ出すれいむ。餌山の横を抜け、巣穴の出口へと跳ねていきます。 その間にも背後では暴力的な物音が聴こえ続け、 出口の前にたどり着いたれいむが足を止めて振り返ると、 見上げるようだった餌山の中腹を突き破って上半身をあらわしたムジナが、 口にくわえた瀕死の姉まりさを無惨にも噛み砕くところでした。 「ゆぎぃぃぃぃ!! たぁすげでねぇぇぇぇぇ!!!」 子れいむは狂乱状態で巣穴から飛び出しました。 外は一面銀世界。すでに冬といっていい状態です。 「おがぁぢゃあああああでいぶはあんなふうになりだぐないでずぅぅぅ!!!」 恐怖のあまり目から口からシロップを垂れ流して跳ねるれいむです。 あわてて跳ねると危ないですよ、 といっているうちに、雪に足をとられて転んでしまいます。 「ゆぅぅぅ! なにごれぇぇぇぇぇ!!」 冬を知らないれいむは、うかつにも坂道で転んでしまいました。 ころころころころ……、転がるうちに雪を集めていき、 斜面が終わって回転がとまるころには、サッカーボール大の雪玉になっていました。 厨性能カメラで中を透視して見ましょう。 「ゆぅぅぅ!? どういうことなの!?」 雪玉の中心で、逆さまのまま止まってしまったれいむが見えますでしょうか? 一心不乱に動きまわり、なんとか脱出しようとしています。 しかし、ゆっくりの能力では一度こうなってしまうと自力では逃げ出せないのです。 「ゆ? なんだか、つめたいよ! おみずさんが!?」 なんということでしょう。 ゆっくりのわずかな体熱によって、周囲の雪が溶けていくではありませんか。 「だずげでぇぇぇぇ!! どげじゃうよおおおおがあぢゃああああ!!!」 限られたスペースの中でぴこぴこ動いているのが確認できます。 ゆっくりが冬を苦手とする理由がこれです。 雪が積もっているということは、雨が降っているのと同じぐらい危険なのです。 この子れいむは助からないでしょう。 こうして、誰に供されるわけでもない氷きんときが、雪原にぽつりとあらわれるのです。 ※ 親まりさがもどってきたのは、そのすぐ後のことでした。 追い出されいむを探し出せないまま、落胆して戻ったまりさは、 巣の中で食事中のムジナと鉢合わせしました。 「ゆ!? ここはまりさたちのゆっくりぷれいす…… ゆううぅぅぅぅぅ!? こどもたちをどこにやったのおおおお!!!」 親まりさの威嚇はあろうことか功を奏し、子ムジナは逃げ去っていきました。 しかし、巣の中には無惨な子ゆっくりの残骸が散らばっており、 親まりさは子供たちの全滅を悟りました。 「ゆ……、ゆ……ゆううぅーーー……ゆううぅぅぅぅーー……。 あんまりだぜぇぇぇぇぇぇ…………」 まりさはさめざめと泣きました。 巣を空けてしまった後悔、非情な襲撃者への怒り。 今は無きつがいとの愛の結晶を、むざむざ全滅させてしまったという事実は、 まりさに暴れ狂うことすら許しませんでした。 ただ空っぽの巣のなか、さめざめと泣き続けるばかり……。 「ゆ! おかあさん?」 「……ゆ? ……――ゆ!?」 なんということでしょう。 親まりさが顔を上げるとそこには、 追い出したはずの子れいむがいたのです! あちこち汚れてふやけてひどい有様でしたが、 子れいむは雪の中を生きて戻ってきたのです。 「ごはんとってきたよ! ゆっくりごめんしてね!」 口の中の木の実を吐き出したれいむ。 何も知らないその顔は、達成感で輝いていました。 「でいぶううううううううぅぅぅぅぅ!!!」 たまらず駆け寄った親まりさが、れいむにすーりすーりします。 「ごべんねぇ! おがあぢゃんがわるがっだよ! もうどごにもいかないでね!」 「ゆ゛ぅう!? くすぐったいよ! あとおなかすいたよ! ごはんをさきにしてね!」 とまどう子れいむ相手に、親まりさは泣きながら擦り寄りました。 親の威厳もかなぐりすてて、ゆぅゆぅ、ゆぅゆぅと、 いつまでもいつまでもすりすりしていました。 ※ いかがだったでしょうか。 過酷な冬を乗り越えるための戦い。 海千山千の野生動物たちのなかで翻弄されながらも、 懸命に生きるゆっくりたちの姿をお楽しみいただけたのではないでしょうか。 親ひとり子ひとりとなったこのゆっくり家族はこの後、 互いに助け合い、協力しあって、 巣を代え、冬ごもりの備蓄をやり直しました。 なんとか冬を越すことができそうです。 家族を喪った哀しみは消えません。 それでもゆっくりできなかった家族の分まで、 ゆっくりたちはゆっくりするでしょう。 やがて冬が過ぎ、 野山に春が満ちた時、 ゆっくりは薄暗い巣穴のなかから、 陽光きらめく野山へと飛び出していくのです。 そして暖かな春が、いつまでもいつまでも続くようにと、願うのでしょう。 ――ゆっくりしていってね、と。 <地球高みの見物 完> (以下 未放送シーン) 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってよ!」 2月。 春を前にして、最後の大雪が山を襲いました。 夜の山を吹き荒れる、闇夜を塗りつぶさんばかりの白銀の猛吹雪。 スタッフは、以前取材したあのゆっくり親子の巣穴をたずねてみました。 「ゆっくりしてね!! れいむ、がんばってね!! もうすぐはるさんがくるからね……!!」 悲痛な叫びをあげているのは、厳しかった親まりさです。 頬は痩せこけ、目元には隈が、おぼうしもヨレヨレで、 ひどく疲れているのがわかります。 「ぐるぢいょぉ……。いだいぃぃぃ……。 おがっちゃ……だじゅげでねぇ……」 弱々しい声で苦痛を訴えるのは、生き残りの子れいむでした。 こんもりと盛られた枯葉のベッドに、ころり横たわっています。 虚ろで淡い微笑みを浮かべ、細かい痙攣をくりかえしています。 異常なのは体中に浮き出た『血管』。 そして、つむじのあたりから生えた植物の双葉……。 未発達な子どものゆっくりが木の実などを食べた際、 うまく消化できないまま種子を取り込んでしまい、 体内で温められ、発芽してしまうケースがあるのです。 子れいむの下腹部あたりに、痛々しく浮き出た血管のようなもの。 これは植物の根です。 餡子と皮の間に根が張り巡らされているのです。 「だいじょうぶだよ! ゆっくりねていれば、すぐによくなるからね! さあ、これをたべてげんきになってね!」 子れいむを不安にさせまいと、親まりさは無理に微笑んでいます。 残りわずかな餌山の中からどんぐりを選び、口移しで食べさせようとしましたが、 ぽろり、と子れいむの口から転げ落ちてしまいました。 「……もっちょ、ゆっぐり、じだがっだ、よっ……!」 この子れいむが春を迎えることは無いでしょう。 春が近づいて暖かくなればなるほど、 育つ根に餡子をこねくり回され、養分を吸い上げられ、 みるみるうちに太っていく根によって、 やがては内側から引き裂かれてしまうのです。 救いであったはずの季節は死神となって、 子れいむを迎えに来るのです。 「おぢびじゃんんんんんんんんんんんんんん!! はるさんがくればゆっくりできるよ! だからそれまでがまんしてね! はるさんはゆっくりしないではやくきてね!」 家族を喪った哀しみは消えません。 それでもゆっくりできなかった家族の分まで、 親まりさはゆっくりするでしょう。 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってよ……!」 やがて冬が過ぎ、 野山に春が満ちた時、 親まりさは薄暗い巣穴のなかから陽光きらめく…………。 <ゆっくり高みの見物 完>
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虐待というより駆除? 「まりさ!ゆっくりがんばってね!!!」 「ゆっ!」 新婚のゆっくりれいむは、頬擦りをして番のゆっくりまりさを巣から送り出す。れいむの頭には蔓が伸びている。そこから5匹の木の実のようなものが伸びている。このまま順調に行けば、明日には出産だ。 妊娠中のれいむのためにも、赤ちゃんのためにも、いつもより多く餌を取らなければならない。まりさは張り切っていた。 虫や比較的美味しい草などを帽子に詰め、まりさは行進する。すると見慣れないものを見かけた。普段のルートから少しはずれた結果、美味しいものにありつけたのだ。 「ゆっ…これはりんごさんのきだよ!りんごさんはゆっくりできるくだものだよ!」 まりさはそういいながら、林檎の木の周りをうろつく。 まりさに違わず、ゆっくりは林檎が大好きな傾向にある。野生の林檎の木は人間からすればかなり不味いが、ゆっくりからすれば貴重な甘味なのだ。 林檎は残念だが2つしか落ちていなかった。しかし木には、いくつかの林檎がなっている。今日の分はこれで確保できそうだ。まりさはひとまず、落ちていた2つの林檎を帽子にいれた。 「れいむはよろこぶよ!…りんごのきさん、りんごをゆっくりおとしてね!」 まりさは跳ねながら頼むが、無論落ちてくるわけがない。無知なゆっくりでもそれくらいは知っている。 「ゆ…そうだ!」 まりさはあることを思いついた。 遠くにいるドスまりさという個体は、木に体当たりをすることでそこから木の実を落としていたというではないか。自分の体は小さいが、何度も繰り返せば落とせるかもしれない。 まりさは名案とばかりに木に体当たりを始めた。しかし饅頭の体では、体当たり一回が体に大きなダメージとしてのしかかる。 「ゆびっ…ゆびゃっ…まりさはがんばるよ…れいむのためだよ…!」 そのまりさのひたむきな思いが通じたのか、ドサッという音を立て、赤くなりかけたりんごが1つ落ちてきた。まりさはすかさずそれを舌で掬い取り、帽子の中に入れる。 「あと2つ…がんばるよ!まっててねれいむ!」 再び体当たりを始めるまりさ。そのひたむきさには、普通の人間ですら心打たれるものがある。このゆっくりは、自分ではなく伴侶のためにがんばっているのだ。 「ゆべっ…ゆべっ…」 虐待お兄さんでもない限り、この姿を見れば感動することだろう。ゆっくりんピースが見れば、これを撮影してドキュメンタリーでも作りそうな勢いである。 「ゆひぃ…!」 餡子を吐きそうになるが、それでも体当たりを続ける。そして、再びまりさの近くで何かが落ちたようなドサッという音が聞こえてきた。 「ゆっ!りんごさん!」 その音が聞こえた方向へぴょんぴょんと跳ねていくまりさ。しかしそこにあったものは、 「ブゥゥゥゥゥゥゥン…!」 「ゆぅ!?」 スズメバチの巣であった。実はこの林檎の木には、スズメバチが巣を作っていたのである。 「は、はちさんだよ!」 スズメバチはまりさを見るなり、猛烈な速度で襲い掛かってきた。巣の中のスズメバチが一斉攻撃する形である。これをされると、人間はもちろん妖怪ですら死にかねないのだ。 「ゆぎゃあああああああああ!!!いだいいいいいいいい!!!ごめんなざいいいいい!!!おぎゃあじゃあああああああんん!!れいぶうううううう!!!」 まりさはいそいで巣に帰る。巣に戻って急いで蓋をすれば、蜂は入ってこない。そう考えた。 痛みにのた打ち回りながらも、まりさは気力を振り絞ってなんとか巣にもどる。 「れいぶううう!!!ゆっぐりどびらをじめでねぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっ?おかえりまりさ!」 まりさは泣き叫びながられいむに懇願するが、ゆっくりの餡子脳の処理速度や、番が妊娠中であることから、その願いは通じることはなかった。 巣の中に、五十匹近くのスズメバチが入り、新たな獲物のれいむと、その頭から伸びたツルの先にいる赤ん坊を指し始める。 「ゆぴっ」 「ゆぴゃ」 赤ゆっくりは刺された瞬間、白目をむいて絶命した。 「れ、れいぶのごおおおおお!!!あがっ!!!じゃんがっ!!!まりざああああなんでごんなのづれでぎだのおおおおお!!!!」 「ごべんなざいいいいい!!!」 れいむとまりさも、蜂の襲撃にのた打ち回る。まりさは善良な個体であったが、れいむは…まぁ下衆の家庭だったのだろう。恨み言を叫んでまりさを罵倒していた。 最初の1個でやめておけば、このひたむきなまりさは蜂に襲われずに済んだのであろうに。 ちなみにその林檎は、蜂の襲撃後、傷だらけになってしまったれいむにすべて食べさせた。 まりさは痛む体を引きずり、なんとか餌も探した。自身も命が危ないほど傷だらけだったにも関わらず、まりさはれいむを看病したのである。ゆっくりんピースが見れば本当にドキュメンタリーを作りかねない。 しかしそんな罪滅ぼしが、自分勝手な下衆れいむに通じるはずもない。完全回復したれいむは、これまでの恨みとばかりに伴侶だったまりさを体当たりでつぶし、新たな伴侶を求めて旅立っていった。 もちろん、蜂のせいで顔がボコボコになったれいむなど、誰も相手にしない。自分を最も愛してくれるゆっくりをその手で殺したれいむは、その落とし前を自分でつける羽目になったのだった。よかったね、れいむ。 おまけ 「ゆっへっへ…このまりささまがりんごをたべてあげるんだぜ!かんしゃするんだぜ!」 1匹の尊大な態度のまりさが、蜂の巣の落ちていた林檎の木に体当たりをする。この手の態度を取るまりさは、100%下衆である。 林檎はあっさりと落ちてきた。下衆まりさの頭上に、ずっしりとした重みを伴って。 「ゆびべっ」 下衆まりさの頭に林檎が直撃する。普通のゆっくりなら即死だったが、まりさ種は帽子のおかげで、頭上からの敵に多少強い。下衆まりさは体当たりによる喧嘩やいじめを繰り返してきていたため、頭の皮が多少固くなっていた。 しかし、当たり所が悪かった。 「…ゆ?…め、めが!!!まりさのぷりちぃなおめめがみえないんだぜぇぇぇぇぇ!!?」 目の真上に落ちてきた林檎は、柔らかい皮を突き破り、まりさの目を器用に抉り出した。まぁようはビーダマンからビー玉が発射されるような感じで、目が発射されたのだ。 そして運の悪いことに、その目の先には、 「ゆぴょ」 ある家族が外に遊びに出していた、不幸な赤ちゃんまりさがいた。凄まじい速度で襲い掛かった謎の外敵になす術もなく、赤まりさは潰れてその命を全うした。 「ゆ?どうしたのあか…れいぶのあがじゃんがああああああ!!!」 「おねえじゃああああああんん!!!」 近くにいた家族が大騒ぎし始める。その赤まりさの母親であったれいむは、すぐに危害を加えた者を発見した。 「…あのまりざだああああ!!!ごのげすまりざめぇぇぇぇぇ!!!」 「おねえじゃんをがえぜぇぇぇぇぇえ!!!」 「ゆっぐりじねぇえぇぇ!!!」 「ゆびっ、ゆびゃっ…ま、まりざがなにをじだっでいうんだぜぇぇぇぇ!?」 「とぼけるなあぁぁぁぁぁ!!!よぐも、よぐもれいぶのあがじゃんをおおおおおお!!」 「ゆびゃあぁ!」 そして、その赤まりさの家族に袋叩きにあって死亡した。 「もっど…ゆっぐりじだがっだよ…」 下衆まりさが死んだことを確認し、母れいむは子供を止めて一息つく。するとれいむの目の前に、ゆっくりできるもの…林檎が落ちているのが目に入った。 「ゆ、りんごさんだ!あかちゃん、これはりんごさんっていってとってもゆっくりできるたべものだよ!おかあさんがたべさせてあげるから、ゆっくりくちをひらいてね!」 先ほど死んだ自分の愛しの我が子と、そして下衆まりさのことなど既に餡子脳の中にはない。この切り替えの早さと異常なまでの繁殖力が、ゆっくりを増やした原因ではないかと言われている。 「ゆーん!かわいいれいむからたべしゃせちぇにぇ!!」 「ゆっ!?ま、まりさのほうがかわいいよ!!」 「よくばるこにはあげないよ!」 「ま、まりさはやっぱりかわいくないよ!!」 そんなやり取りをしながら、母れいむは林檎を噛み砕こうとする。しかし… 「ゆぎぇ!?」 その林檎は予想外に堅かった。奥歯がベキン、という音を立てて折れてしまう。林檎というのは存外堅い。満足に熟していない林檎なら尚更だ。 「れ、れいぶのまいるどなはがあああああ!!!」 マイルドな歯、って何なんだろう。ともあれ母れいむはあまりの堅さに、奥歯を折ってしまった。その堅さを見越して前歯を使わなかったのが不幸中の幸いといったところか。 「お、おかーちゃぁーん!!」 赤れいむたちは、涙を流して痛がる母を心配して跳ね寄る。しかし1匹だけいた赤まりさは違った。 「おかーしゃんがひとりじめしようとしゅりゅかりゃじゃよ!!」 そう言って堅い林檎の方へと駆け寄っていく。さすがまりさ。なんという自分勝手短絡思考。おそらくこいつの片親は下衆まりさに違いない。 「まりしゃがたべりゅよ!」 「だべぇぇぇぇぇ!!!まりざあああああ!!!たべだらゆっぐりでぎなぐなっじゃうよおおおおお!!!」 「ひがんでるんだね!おおぶざまぶざま」 赤まりさはそう言いながら堅い林檎にかぶりつき、そして 「はひはほはははひひはははは!!!(まりざのぢゃあみぃなはがああああ!!!)」 歯をべきべきと折ってしまった。発達した母の歯で折れるのだから、子供の歯では折れて当然だ。 そしてゆっくりは、歯を咀嚼にしか使わない。肉食動物のように何度も生え変わることはないのである。しかも人間とも違い、生えた歯は既に永久歯なのである。その歯は飴細工のようなもので出来ており、お世辞にも堅いとはいえない。 「だがらいっだでじょおおおおお!!!」 「ほへははっはほはははふはひゅっひゅひひへへへ!!!(どめながっだおがあざんはゆっぐりじねえええ!!!)」 止めたにも関わらず、母に責任転嫁をして体当たりを始める下衆赤まりさ。…こりゃまともな親になれないな。 残された赤れいむたちはその様子を、震えながら見守ることしかできなかった。 ちなみにその赤まりさは二度と食べ物を「むーしゃむーしゃ」できないし、そもそも言葉を上手く発音できない。 母れいむが何とか成体になるまで育てたものの、自分で狩りすら出来ない成体と番になろうとするゆっくりなど誰もいなかった。めでたしめでたし。 おまけ2 数日後。残った1つの林檎の下で遊んでいた子れいむと子まりさがいた。このれいむとまりさは友人同士だった。そのまま成長すればやがて番となり、鬱陶しい子供を大量に増産することだろう。 唯一の利点とすれば、このまりさは育ちがよい、つまり下衆まりさではなかったということだろうが。 「ゆっくりおいかけきてね!」 「まりさ、ゆっくりまってね!」 まりさとれいむはぴょんぴょんと跳ねながら追いかけっこをしている。そのれいむの頭上に、 「まりじゃっ」 林檎が落ちてきた。 「…れいむ?かくれてないででてきてね…ゆっ!?」 林檎の下にあるのは、大好きだったれいむのりぼん。そしてその下に、餡子と皮が広がっている。 「ゆうううううううう!? 「どうぞくごろしだー!!!このまりさはどうぞくごろしだよー!!!」 しかもその様を、別のまりさに見られてしまった。まりさはすぐさま仲間に報告する。仲間は怒り心頭で、罪のないまりさに襲い掛かった。 「どうぞくごろしをするようなやつはゆっくりできないからしね!」 「ゆびっ!?ゆびゃっ…もっど…ゆっぐりじだがっだよぉ…」 「おおぶざまぶざま」 報告したまりさがニヤニヤとほくそえんでいる様を見ながら、まりさは死んでいった。 報告まりさは、善良なまりさが大嫌いだった。優等生面をいつか捻り潰してやりたかった。 報告まりさは「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!!」と言って、そのまま巣に戻ろうとしたが… 「ゆっへっへ、あのまりさにてんばつがくぢゃっ」 ちょうど落ちてきた毬栗に当たって、その目を潰してしまったとさ。ざまぁ。 「ざまぁじゃないよおおおおおおお!!!」 まぁ目が潰れたゆっくりの末路など、知れたものですがね。 ゆっくりはよく体当たりをしかけるが、人間が痛くも痒くもない体当たりで何をするのだろうか。そう思って考えてみた結果、木の実を落とす際に使うのではないかと思った。そこから構想を練った。構想3分。 …しかし本当にこれ以外に何に使うんだろうね。 あと飴細工の歯(人によっては歯のない設定の人もいる)で木の実って…ホント贅沢だよな。死ねばいいのに。 このSSに感想を付ける
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注意俺設定 って書いてあるssが多いけど俺設定じゃない虐ssってあるんだろうか? 文章下手だよー、見にくいよ、誤字脱字は許してねー。 主観がころころ変わります。 ネタかぶり乙・・・すいません。 長編です。5,6分割してゆっくり仕上げたいと思っています。 それではどうぞ。 その群れは全滅の危機に瀕していた。 すでに木枯らしが吹き始め、木々の色は赤色から茶色へまるで老けるかのように変わっていった。 普段ならそろそろ越冬の準備を終え、巣を塞ぐ作業に取り掛からなくてはならない時期だ。 しかし、この群れでは未だに越冬できるまでの餌すら集まっていない状況である。 「ゆ、このままじゃ冬を越せないよ。」 そういうのはこの群れのリーダーを務めているまりさである。 この群れは現在100匹程度のゆっくりがいる。 ドスはいないが今までは近くに外敵が存在しなかったのでそれなりに長い期間ここに巣を構えていた。 しかし最近では幾分か状況が違ってきた。 まず、今まで群れの中心の役割を果たしていたゆっくり達が突然いなくなってしまったこと。 二つ目に急に人間がゆっくりを狩り始めたこと。 三つ目にすっきりが重なって人手(ゆっくり手?)がいる時機に動けるゆっくりが非常に少なくなったこと。 四つ目に急激に群れの人口が増えたことによる周辺の餌の乱獲である。 様々な状況が重なり今の状況になっていた。 このリーダーのまりさは前リーダーが失踪してこの群れの崩壊を感じ取っていた。 そして、この群れをまとめる為にリーダーを買って出た リーダーを急に失くした群れはすぐに好き勝手に自分の欲望を果たそうとし、 その結果蓄えを全て使い果たし、群れの数もすぐに倍までに膨れ上がった。 このまりさがリーダーを名乗り出なければ、この群れはすでに崩壊していただろう。 しかし、このまりさはリーダーになったはいいもののなぜ群れが越冬出来なくなるほどに追い詰められているかが理解できなかった。 今まで道理に餌を集めてなぜ餌が集まらないのだろう? 「なんでえさがあつまらないんだろ?」 と親友のぱちゅりーに疑問を投げかける。 このぱちゅりーは子供からの幼馴染的な存在であり、その博識さにまりさは一目置いており参謀役を頼んでいる。 「むきゅぅ、なぜかしら・・・まえよりみんなたくさんえさをとっているはずなのに・・・。」 「このげんいんはまえのおさのせいなんだぜ!まりさたちをこんなにくるしめるなんてさいていのりーだーだぜ!」 「そうだねー。ゆっくりできないおさだったね。わかるよー。」 今この場には群れの中心のゆっくりが5匹程集まり、今後の行動方針を話し合っていた。 といっても解決方法どころか問題点すら分からないようで、いつものことのように前のリーダーの 性で餌があつまらないという責任の押し付けに話題は変わっていた。 ちなみに前長を含む幹部達は非常に優秀なゆっくりであった。・・・あくまでゆっくりにしてはだが。 越冬も幾度か経験し、貯蓄の概念も持ち始め、冬場は人手が必要なので普段は狩に出ない母ゆっくり にも狩にでるように促したりもしていた。(この指示が結果として冬場の人口爆発を防いでいたのだが。) その貯蓄を全て無為に消費し、越冬のために餌を貯蓄しないでいるのは間違いなくこの若い幹部の責任である。 とはいえ、前長の失踪は唐突であり通常行われるはずの知恵の継承がされていなかった。 若い将来の長の候補ゆっくりは現職の長の元で雑用などをこなし、その業務について学んでいく。 それらなしにいきなり若い幹部候補は幹部になってしまったので、今まで長年培ってきた 知識が全て失われてしまった。 しかし、原因は分からぬがこのままでは冬を越せないことは現在の貯蓄量から確かであった。 「ゆっへっへっへ、おこまりのようだぜ。」 暗くなった場に場違いな、野蛮さをにじませた声が響く。 幹部達が声のする方向へ目をやると、そこに一人のまりさがいた。 「ゆゆ、まりさがなんのようなの?」 長のまりさ怪訝な表情をそのまりさに向けた。 このまりさは群れの中には必ず出てくる外れ者 所謂アウトローを気取って働きもしない怠け者(と幹部達は思っていている)である。 普段はこんなまじめな場どころか群れ全体の集会(幹部の決定などを発表する)にもでてこない。 しかし、群れの若いゆっくりには非常に人気が有り幹部達はこのまりさに良い感情を持っていなかった。 「えさがふゆをこせるほどあつまってないんだぜ。このままじゃまずいんだぜ。」 「ゆゆ!!・・・なんでそのことを。」 「そんなのすぐわかるんだぜ。そこでていあんがあるんだぜ。」 「ゆゆ・・・ていあんってなに?」 「ちょっとまえにまりさがたびにいったときのことをおぼえてるか?だぜ」 「ゆ、おぼえてるよ。あのときはもうぜんいんゆっくりできなくなってるかとおもったよ」 このまりさは東の方角に仲間(ここで言う仲間とはまりさの悪い友達に当たるのだが) と一緒に2週間ほどの旅に出かけていた。 2週間はゆっくりたちにとっては非常に長く、群れの皆はもうまりさは死んだと思っていた。 しかしまりさは昨日生きて帰ってきた。ただし一緒に出発した仲間は一緒ではなかった。 「そのたびでまりさはすごいゆっくりぷれいすをみつけたぜ!」 このまりさが言うにはこの群れから7日ほど歩いたところににおいしいやさいが たくさん生えている、恐らくこの群れ程度ならかなりの長い期間養える 最高のゆっくりプレイスがあるということだ。 「おやさいが・・・たくさん・・・。」 以前この長のまりさはおやさいを一口だけ食べたことがあった。 それはいつも食べている草などよりも甘くとてもおいしかったことを覚えている。 思わずそこにいる幹部達は全員そのときの味を思い出してよだれをたらしてしまった。 しかし、後にも先にも野菜を食べたのはそれきりであり、それがたくさんあるとはにわかには信じがたかった。 「わからないよーそれはほんとかなーわからないよー。」 「そうだね、しんじられないよ。それにそこまでいったならなんでおやさいをもってこなかったの?」 長のまりさの言うことは最もで、 その発言は言うならば海賊が一面の金銀財宝をこの目で見たと一般人に吹聴するようなものであった。 「ゆ、やまほどあったからなかまたちにおやさいをはこばせてまりさだけさきにかえってきたんだぜ。 たくさんのおやさいをはこんでるからまりさよりずっとゆっくりこっちにむかってきてるんだぜ。」 「ゆ!?ほんとに?」 それがほんとうならば食糧問題は一気に解決する。幹部達はまりさに詰め寄る。 「むきゅ??なんでひとりだけでもどってきたの?おやさいがたくさんあるばしょがわかったのなら ゆっくりもどってくればよかったじゃない?」 ぱちゅりーの疑問はもっともである。たしかに群れとしては食料事情はひっ迫しているが、 まりさ個人(?)に関して言えば目の前にわざわざお宝の山があるのにひとりだけお野菜も食べずに 戻ってくるのは普段の素行からして考えられないと幹部の皆は思っていた。 「ゆったぜ?このままじゃまずいってだぜ。」 「ゆん!?」 長まりさは気づいた、このまりさは群れのためにおいしいおやさいを食べずに群れまで急いで このことを伝えに来てくれたのだ。 ぱちゅりーや他の幹部達もこのことに気づいて尊敬の眼差しでまりさをみつめた。 「ゆぅ・・・まりさ。」 「だぜ。まぁこんなさびれたむれでもうまれこきょうなんだぜ。」 とまりさは照れたようにそっぽを向きながらつぶやいた。 「ゆぅ・・・。」 長まりさは胸に暖かいものが宿るのを感じた。 そして、そのまりさの献身を無駄にしないためにも早く行動しなくてはならない。 「ゆん!それじゃおやさいがたくさんあるゆっくりぷれいすまでえんせいをするよ!!」 そう、猛々しく長まりさは宣言した。 続く いやね、わざわざ遠征するのにゲスまりさが仲間に野菜を持ち運びさせたのは 野菜がたくさんあるという証拠を見せたかった。 しかし長はゲスまりさのいうことを信じたってことにしておいていただけますか。 後この群れは人間という存在は知っているけど会ったこと無いということでお願いします。 このSSに感想を付ける
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※この文章はフィクションであり、作者の創作を多分に含む物です。 実在の人物・団体とは一切関係なく、またこれらを誹謗・中傷するものではありません。 最初の記憶は、自分を心配そうに見つめる母親の顔だった。 母親に関する最後の記憶は、ボウガンで射貫かれ絶命している顔だった。 母親と――そして自分の姉妹を殺した人間は、自分だけ生かした。 自分を連れて行った先には見たことがないゆっくり達が大勢いた。 『ゆっくり大サーカス』 狭苦しいカゴから出された先は狭苦しくはないカゴで、正直そのゆっくりは自分の命について諦めていた。 ああ、そのうち食べられるんだな、と。 だから自分以外に生きているゆっくりが大勢、少なくとも自分では数え切れないくらいいるのには正直驚いた。 そのゆっくり達は全員等しく薄汚れてはいたが、生命に支障をきたしている様子はない。 「ゆっくりしていってね!!!」 「よこそ」 「ゆっくりしてね」 一見して元気そうだからこそ、ゆっくり達の淡泊な反応が気になった。 きっとゆっくりできない酷いことをされたんだね、と涙するゆっくりだった。 そのゆっくりは暗いカゴの中でしばし放置された。彼女の体内時計で朝、おそらく太陽がかなり高くなる時間帯までは。 彼女は一晩中先客達に話しかけた。 「ここはゆっくりできるところ!?」 「……さあ」 「あなたたちはゆっくりできてる!?」 「……さあ」 「どうしてなんもはなしてくれないの!!」 「……さあ」 終始こんな調子だったので、終いには彼女が腹を立てて黙り込んでしまった。 「もういいよ! ゆっくりできないひとたちだね!」 「……そう」 これで色素の薄い美少女が包帯でも巻いていればまだ楽しめたのだが、周りにいるのはただの薄汚れたゆっくりだ。 いい加減退屈が有頂天になる頃、ようやく光が差し込んできた。暗い部屋の扉が開かれ、人間が入ってきたのだ。 入ってきたのは2人、片方がもう片方に何やら質問している。 「――、――?」 「――。――、――」 「ねえ! こそこそしゃべってないでおみずとごはんをとりにいかせてよ!!」 おそらく自分の家族を殺した人間の仲間であろうことは彼女も理解できるので、せめてもの意思表示をしてみた。 殺すならとっとと殺せ。その気がないなら解放しろ。 人間達は彼女の言葉に気付かなかったかのように会話を続け、しばらくして主に質問をしていた方の人間が彼女がいるカゴの中に入ってきた。 「ゆ? なにすブルァァァァアア!!!」 問答無用で殴り飛ばされた。 堅い棒に柔らかい物を巻き付けた、そんな感触だったのを驚愕の中で彼女は気付いた。 頭に棒を振り下ろされ、右頬を張り飛ばされ、部屋の中で響く殴打の音が止むことはなく。 何で、と。理不尽としか思えない暴力の理由を問う間も与えられず、時間の感覚が無くなるくらいに痛めつけられた。 そう、痛めつけられたのだ。人間に彼女を殺す意図はなく、ひたすら彼女に痛みを与えるだけのための殴打だ。 体が3倍に腫れ上がり、呼吸の仕方が分らなくなったあたりで暴力が止んだ。 何だか知らないが、気が済んだのだろうか。 人間は次に、彼女を暗い袋の中に入れ、天井から吊るした。 厚い布の中はただでさえ少なかった外界からの刺激をほぼゼロにする。 「う……。だじて……」 かろうじて言い返せたが、当然反応はない。それどころか、先ほどまでとは違う激痛が彼女を襲った。 体の中で痛覚が破裂するかのような激痛が。 「ぁ――――!!! っ――――!!!」 彼女は知らなかったが、それは電気ショックによる痛みだった。 全身が痙攣し、意識に反してメチャクチャに暴れる。息が出来ない その激痛が止んだ。 「う……? よかっ――!! ぁぁぁぁぁああ――――!!!」 安息は数秒に満たなかった。激痛が止み、彼女が自身の生存を確認した瞬間に次の波が襲ってきた。 永遠と勘違いする数秒の責め苦と、須臾にすら足りない数秒の安息が交互に繰り返される。 拷問は日が暮れるまで続き、先客のゆっくり達はショックにより空中で跳ね回る黒い袋をじっと……否、ただ漫然と眺め続けた。 それらの顔に一切の感情はない。 彼女が袋から出されたとき、先客達には餌が与えられていた。 彼女が今まで見たどんな食物にも似ていないその物体は酷くグロテスクに見える。 それも当然である。その餌は必要最低限の栄養と満腹感だけをできる限り安く提供するよう作られた合成餌で、 抗生物質と精神安定剤がふんだんに混ぜられていた。 脂汗にまみれた彼女の所にも1匹分の餌がもたらされる。本能が告げる、これを食ってはならない。 「ぃ……やだよ! そんなものたべないよ!」 彼女にとっては決死の宣言だった。おそらくこの人間達は自分を殺すことを全く躊躇しないし、その意思に応える武器も持っている。 だが、人間達にとっては想定内どころか慣れ親しんだ戯れ言に過ぎなかったようで。 慌てるどころか二言三言交わしただけで、1人の人間が彼女に慣れた手つきで注射を施す。 アンプルには『合成麻薬ゆっくり用』と書かれていた。 ――世界が変わった。 時間の流れは止まり、この世には光が満ちた。 空間はねじ曲がり、極彩色の宝石が漂っている。 絹の川の中に溺れ、あらゆる美味が口の中に溢れた。 全能が彼女の中に存在し、全知が目の前に後光を持って屹立していた。 あらゆる苦痛が消え、彼女が幸福の中眠りに墜ちようとしたところで目が醒めた。 暗くて汚いカゴの中に逆戻りだ。 身動ぎ1つ満足にできない狭いカゴの中で彼女は酩酊していた。 冷たい雨が身を打ち、内臓が――内容物が反転しそうな吐き気と脳天に五寸釘を打ち込まれたような頭痛だけが現実だった。 「ゆ……」 とりあえず喉の渇きは抑えられそうだと吐き気を抑えて雨水を飲む。 だが、ひりつく乾きはいつまで経っても止まない。 それどころか時間を追うごとに乾きは熱を以て彼女を苛む。 五寸釘の本数は際限無く増え、シェイクされた内容物は嗚咽とともに今にも口から出てきそうだ。 いっそ殺せ。痛みですり減った精神がそう思えるくらいにまでは回復してきた頃、彼女の意識は暗黒に飲み込まれた。 誰かが自分を起きろとせっつく。 鉛より重いまぶたをこじ開けると、人間が餌の皿を持って目の前にいた。 頭痛も吐き気も相変わらず最悪だ。目の前に置かれた皿を拒絶するつもりで目をくれると、予想外の代物が鎮座していた。 虫の塊である。 彼女とて野生のゆっくりであったのだ。虫くらい幾らでも食べてきた。 なのにその虫を直視することができなかった。 彼女の持つ嫌悪感がそのまま具現化したような醜い虫が彼女に牙を剥いている。 刹那理解した。この虫は自分に取って代わって『自分』に成り代わるつもりだと。 「こここ、このむしさん、どこかにやってよ!」 「――? ――?」 「なんでみえないの! おさらいっぱいにむしさんがいるじゃない!」 どこを見ているんだ、と人間を睨み付けたところで文句が喉の奥に引っ込んだ。 人間の体中に目玉が開いていた。 ギョロギョロと充血した目玉は全て彼女の方を向き、等しく発情していた。 1度見かけた発情期のありすでさえこれほどではなかったと言うほどの情欲が目玉から零れ、彼女を濡らしている。 「いやぁぁぁああ、こ゛わいよ゛ぉぉぉおお!! そのおめめ、やめて゛! なんでもずるがらぁ! た゛すけてぇぇええ!!!」 「――、――」 「ごはん? ごはんたべればおめめやめてくれるの? ごはんて……こ゛のむし゛さんぜんぶたべるのぉぉぉおお!?」 「――?」 「わか゛りました゛ぁぁあああ!! わがままいいませんからぁぁああ!!」 口の中で暴れる感触に嘔吐を堪えつつ、餌をほぼ丸呑みする。咀嚼する勇気はなかった。 餌を食べていると、いつの間にか虫も目玉も消えていた。 さっきまで一体何を怖がっていたのかが分らなくなり、それを思い出すのが酷く億劫に感じる。 「――、――、――!」 「うん? おもったよりらくなやつだ? わたしはすなおでいいこだよ? ほめてくれるの?」 彼女の反応が期待以上だったのだろうか、人間が嬉しそうな声を上げる。 褒められたのだろうと好意的に解釈しておこう。 その後、昨日の大きいカゴの中に戻された。先客達の体臭が少ししたが気にならない。 そのまま暗くて静かなカゴの中で最高にゆっくりできた。 しばらくすると、喉がすごく渇いてきたし、体の中で虫が暴れはじめたが慌てない。 あのご飯を食べるときっと直るから。 だが、ご飯はいつまで経っても与えられなかった。 耳の中が虫の羽音で一杯になり、いい加減ウンザリし始めた頃、ようやくご飯がきた。 だが、彼女にだけご飯が与えられない。 途端に、崖から突き落とされたような我慢できない不安に襲われる。 まさかこのまま? ごはんたべられないの? だが人間は優しかった。言うことを聞けばご飯をくれるという。 どこかへ連れて行かれ、細めの橋の前――平均台の前に置かれる。 どうやらこれを上手に渡れればご飯をくれるらしい。 「ゆ……。こんなのかんたんだよ」 これより狭い橋、川に架かった頼りない棒きれなら何度も渡ってきた。なんてことはない。 見事に渡りきった彼女にご飯が与えられる。 安心してご飯を食べると、先客達がやってきた。 皆、彼女に与えられた課題よりも遙かに難しい課題を次々に成功させている。 燃え上がる輪をくぐったり。 落ちたら大けがをしそうな高さで遊んでいたり――くうちゅうブランコというらしい。 大砲の上に乗って、何かが爆発する轟音にもたじろがすダンスを踊っている子もいる。 なるほど、皆あんな難しいことをしているから、ご褒美にご飯が貰えるんだね。 ようやく理解したよ。 「――!!」 「ゆ。サーカスっていうんだ。ゆっくりおぼえた」 PN水半分 このSSに感想を付ける
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前 カラン、という音が手術室に響いた。 それは先ほど先生が見せてくれた、太い鉄の棒を置いた音。 先端は尖っており、まるで槍のようだ。 槍は成まりさの目の前に、見せ付けるように置かれている。 傷つけるための道具、成まりさはそう判断したのだろう、必死で体を揺すった。 「やめてね!!はやくおウチに返してね!!おにいさんにいいつけるよ!!」 しかし、底部に鉄製の皿が張り付いているせいで全く動けない。 「まず、植物型出産の機能を破壊しますよ」 先生は成まりさの言葉など聞こえてないかのように、俺に言う。 「はい」 「では、帽子を取ってもらえますか」 言われたとおり、俺は成まりさの帽子を取ろうとした。 すると、成まりさの目が輝く。何かに気がついたようだ。 「ゆ!そこのおじさん達!まりさのバッヂを見てね!ゆっくりりかいしてね!!」 成まりさの帽子を見ると、コーヒーコースターほどの大きさの赤いバッヂが張ってあった。 帽子に巻かれた白いリボンの隣にあったため、よく目立つ。 これはペットショップなどで売っている、飼いゆっくり証明バッヂだ。 飼いゆっくりが逃亡したり、遊んでいて迷子になった時のために付けるものである。 バッヂの裏には飼い主の住所や名前などが書いてあるので、迷子になっても安心だ。 そして、飼いゆっくりを虐待してはいけないというルールがある。 ルールを守って楽しく虐待。 それが虐待お兄さんに共通する約束事だ。 もちろん俺もそれを守っている。 そのことをこの成まりさは知っていたのだろう。 飼いゆっくりである自分を痛めつけてはいけない、と主張しているのだ。 「バッヂって何?何もついてないよ?」 「ゆ!?うそを言わないでね!!」 帽子のつばが邪魔で成まりさにはバッヂは見えない。 俺は帽子を取り上げ、バッヂを成まりさから見えない位置に隠した。 「ほら、これはまりさの帽子でしょ?どこにバッヂがあるの?」 成まりさの眼前に突きつけられた帽子にバッヂは無い。 「ゆ・・?!?うそだよ!!まりさはバッヂつきだよ!!」 信じられない、という目で帽子を見つめるがそれは確かに自分の帽子。 おろおろとする成まりさを相手にすることをやめ、俺は帽子を少し離れたところに置いた。 「ま、まりさのぼうし!!かえしてぇっ!!!」 顔だけ帽子に向かって倒れ掛かるが、固定された底部が邪魔をして動けない。 「顔、押さえてください」 「はい」 乗り出していた成まりさの顔を掴む。 柔らかい。 若干発汗していたが、もちもちとしながらも張りのある皮。 内部の餡子の熱が皮越しに伝わって、ほんのりと温かい。 指を滑らせても、抵抗が感じられないほど滑々としていた。 優しい飼い主に、心行くまでゆっくりさせてもらった証拠だ。 「やめてね!!!ちかづけないでね!!」 そんな素敵な皮に近づくのは、先生の右手に握られた槍。 左手は品定めでもするかのように、成まりさの髪の生え際をなぞっている。 「ここですね」 先生が指で、髪の生え際の中心近くを軽く二度三度叩く。 おそらく、そこに槍を突っ込むのだろう。 「じゃあ、しっかり押さえておきます」 「よろしくお願いします」 「ゆぅぁっ!やめてっ!!!」 頭を回転させて逃げようとするが、人間の力に勝てるはずもない。 無駄な抵抗とはまさにこのことだろう。 「こわいよ!!!刺さないでね!!!やめてね!!」 「はーい、ちょっと痛いけど我慢してねー」 注射でもするかのような声とともに、先生は思い切り成まりさに槍を突き刺した。 「ゆっびゅぉおおっぉぉっ!?!?!?」 尖った部分は全て内部に入り込み、外に露出しているのは太い部分だけだ。 突き抜けてはいないが、かなり深く入り込んでいることが分かる。 その証拠に、顔を掴む俺の手に、ぬるぬるとした汗のようなものが溢れてきている。 目は血走り、涙が溢れ始めていた。 「いぢぃあ゙ああ゙ああ゙いよぉぉおっ!!!おにいざあんだずげでぇ゙ええ゙え゙ぇえ゙え゙っ!!!!」 一瞬、俺や先生に対して命乞いをしているのかと思った。 だが、その目はあらぬ方向に向いており、話しかけるような口調ではない。 これは、飼い主である兄さんに向けたメッセージなのだろう。 成まりさが絶大な信頼を寄せるお兄さん。 きっと、今までこんな痛い目に会わせることなどしなかったはずだ。 目の前の敵に助けを求めず、どこにいるかも分からないお兄さんを頼っている。 随分信頼されているじゃないか。 思わず成まりさを握る手に力が入る。 「お゙に゙いざあ゙あああ゙ああぁあ゙あああ゙あぁ゙ぁぁぁああああっ!!!!!」 もう、棒から先生の手は離されている。 これ以上押し込まれることも引き抜かれることもないのだが、やはり痛いものは痛いらしい。 成まりさは先生は既に新しい道具を手に取っていることにも気が付いていないようだ。 「少し熱いけど我慢しようね」 真っ赤に染まった炭が、箸に挟まれていた。 先生の足元を見ると、いつの間に用意したのか火鉢が置いてある。 「ゆうぁああ゙あ!!ぼうやべでええっ!!!」 よく熱せられた炭であったため、空気を伝わってその熱気が伝わってくる。 平和ボケした成まりさでもその恐ろしさは理解できたようだ。 先生は槍の露出した部分の先端を回し、蓋を外した。 どうやらこの槍、中は空洞だったらしい。 「はい、入れますよ」 カラン、という音を鳴らして槍の奥へと流れていく炭。 もちろんその奥とは尖った先端部分、成まりさの餡子に埋まっている部分だ。 熱も伝わらなかったせいか、最初は反応しなかった。 だが、5個目の炭を入れる頃には熱が成まりさを攻撃し始めていた。 「あっぢゅぃい゙いい゙ぃぃい゙!!!あ゙りざのなががあづいよぉお!?!?」 粘液に代わって汗が俺の手に大量に垂れ始めてきた。 呼吸が荒くなり、手術台の上は成まりさの汗と粘液と汗で水溜りができている。 「ではこのまま10分ほど待ちましょう」 成まりさにとって、人生で最も長い10分間が始まった。 「お゙ぎぃぃい゙い゙いい゙ぃいいいぃぃぃいっ!!!!!!!!」 「そろそろいいですね」 10分間、成まりさは悲鳴を上げ続けた。 愛好家が聞いたら同じような悲鳴を上げただろうが、俺にとっては最高のミュージックでしかない。 息も絶え絶えになりながら、それでも声を上げる姿は芸術と言ってもいいだろう。 おにいさん、おにいさん、と何度助けを求めただろう。 「抜きますから、しっかり押さえててくださいね」 「はい」 先生が鉄製のハサミのようなもので炭と同じくらい熱くなった鉄の槍を掴む。 それをゆっくりと引っ張ると、また激痛が走るのか成まりさは歪んだ顔をさらに歪めた。 「ぼおおぉお゙ぉおっ!!!!お゙にいぃ゙い゙いざああ゙あ゙ああ゙あっ!!!」 抜き終わった槍を傍らに置き、先生は槍が刺さっていた穴を観察している。 「これを見てください」 指差されたのは、槍で開いた穴。 俺は成まりさの正面に回り、穴を覗いた。 「うわ、槍の形そのまんまですね」 その穴は、槍の形を綺麗に保っていた。 普通、穴を開けても餡子が塞いでしまうものだ。 「中まで綺麗に槍の跡が残ってますね」 「熱で固まっているんだよ」 奥は暗くてよく見えないが、見事な洞窟が誕生していた。 槍の触れていた部分が焦げてしまったのだ。 「圧力で押しつぶされないよう、餡子を入れて完成です」 先生の手に握られたビンには、餡子が入っていた。 それを成まりさ洞窟に流し込む。 「・・・」 いつの間にやら、成まりさは泡を吹いて気絶していた。 「鬼井君、ちょっとそこにある箱を取ってくれないか。どっちでもいいから」 「はい」 入り口近くに箱が2つ積んである。 俺の掌くらいの大きさの正方形。 上に乗った箱には「加工所から購入 子れいむ 〇月×日」と書かれた手書きの紙が張ってあった。 「先生、どうぞ」 「ああ、箱開けてくれますか」 差し出した手を戻し、箱を開けることにする。 包装はしてなかったので、すぐに開けることができた。 「ゅぅ・・・ゆぅ・・・」 箱に入っていたのは、紙にあった通り子れいむであった。 ソフトボールサイズの子れいむが窮屈そうに眠っている。 「それを逆さま、底部を私に向けて差し出してください」 どうすればいいのか困惑する俺に、先生は道具箱を漁りながら言った。 何をするのか分からないが、とりあえず言うとおりにしておけば問題ないだろう。 箱から引っ張り出し、底部を先生に向けた。 「ゅう・・・?」 掴まれたことと、逆さまにされたことで目が覚めたのだろう。 子れいむが妙な声を上げる。 「逃げないようしっかり押さえててください」 先生の手にはメスが握られていた。 俺は子れいむを潰さないよう気をつけながら、力を込めた。 「ゆゔっ!!??」 まだ完全に目が覚めていない子れいむの底部にメスが入る。 痛みで眠気が飛んだのか、手に子れいむの力を感じた。 「ゆぎぎいい!!いぢゃいよおおっ!!!おがあざあんん!!!」 そのままメスは、子れいむの底部で円を描く。 先生が左手に握られたピンセットで円の中心を摘むと、綺麗に皮が剥がれた。 子れいむの餡子が剥き出しになる。 「ゆぎゅ゙うゔゔぅぅっ!!!!?」 子れいむが底部が無くなった痛みに苦しんでいる。 眠っていて起きたら底部がないのだ。 ワケがわからないだろう。 だが俺はその理由がわかった。 「その皮を移植するんですね」 「ご名答」 その皮を成まりさに開いた穴に貼り付けながら、先生は続ける。 「子ゆっくりの皮が一番移植に適しているんですよ。やわらかくて、若々しくて」 「この子れいむはどうします?」 「もう使い物にならないので、ゴミ箱に捨ててください」 「ゆぎゅ!やべでね!!れいぶをずでないでね!!!」 底部の無くなった子れいむが必死に助けを求めるが、興味が湧かないのでゴミ箱に投げ捨てた。 きっと加工所職員に家族単位で捕獲された野生のゆっくりだろう。 実験体として生かされるよりマシだろうから、少しは感謝してほしいものだ。 ゴミ箱の中から悲鳴や泣き声は聞こえなかった。 底部が無いので、投げられた衝撃で餡子が全て漏れて死んだのだろう。 「こちらの処置は終わったので、次は胎生型妊娠の機能の破壊をします」 「方法は植物型と同じですよね?」 「はい。同じことの繰り返しです。今は気絶してますけど、すぐ目が覚めるでしょうから、頑張りましょう」 俺はぬるぬるとした成まりさの体を掴み、腹(?)をさらけ出すように先生に向けた。 「ふう、これで終わりです」 ピンセットを金属製のトレーに投げ込み、先生は椅子に座った。 俺の手には、移植用に使われた子まりさがいる。 子れいむ同様、底部が切り取られて使い道がなくなったので、ゴミ箱に投げ捨てた。 「なんだか楽しそうだね、鬼井君」 「え、そうですか?」 自分の顔が緩んでにやけていたようだ。 それほど、あの成まりさの悲鳴は素晴らしかったのだ。 あの成まりさは、胎生型出産を知っていた。 『やめ゙て!!!あ゙かちゃんをうべなくなっぢゃうよ゙ぉっ!!』 『あ゙り゙ざのがわ゙いい゙あがぢゃ゙ん゙をおにいざんに見せられなくなっ゙ちゃゔぅぅゔゔ!!』 『ま゙り゙さのがわいいあがぢゃんがああぁぁああ゙ぁぁ!!!』 『あがぢゃん・・・あがぢゃんがああぁぁ・・・・』 『おに゙いざんごべんなざい・・・ごべんなざい・・・』 『ま゙りざ、もうあがぢゃんうべだい・・・おびいざん゙・・・・ごめべねええぇぇ・・・』 熱で気絶するその瞬間まで、成まりさは飼い主のお兄さんに謝罪を繰り返していた。 自分をゆっくりさせてくれた大好きなお兄さんに、自分の赤ちゃんを見せたい。 そんな思いがひしひしと伝わってきた。 ゆっくりは恩返しができないため、感謝の意を表すために自身の子を見せることがあると本で読んだことがある。 可愛い赤ちゃんを見せたらその人はゆっくりできる、と思うらしい。 この成まりさも、きっと自分の赤ちゃんを見せたかったに違いない。 だから、涙でふやけた皮を見ていると、顔が緩んで仕方が無いのだ。 腹に貼り付けられた移植の皮を見ていると笑いが込み上げてくるのだ。 やはり、出産は母体になってこそだろう。 「ところで鬼井君、間違っていたら本当に申し訳ないんだが・・・」 「はい?なんですか?」 どうにか真面目な顔を作って、先生の方を向いた。 「もしかして、虐待お兄さんだったりするかな?」 「・・・!」 俺は虐待お兄さんであることを隠していたつもりだった。 しかし、やはり本職の人間にはバレてしまうものなのだろうか。 一瞬、あぅえ、みたいな変な声が出たが、俺は覚悟を決めた。 「・・・はい。俺は虐待お兄さんです」 「やはりそうか・・・」 このバイトもおしまいだ、俺はそう思った。 こんな愛好者のための施設に、俺のような虐待お兄さんが勤められるはずがない。 「そうか、そうか・・・」 「黙っていてすみません」 「いや何、気にすることはないよ」 先生は顔を手で押さえながら、泣いているような、笑っているようなしぐさをしていた。 そうしていながら、目だけは俺をじっと見据えている。 「実は私も虐待お兄さんでね」 俺は耳を疑った。 「えぇ!?」 「驚くことはない」 手を顎に当て、先生は顔に笑みを浮かべている。 「昔から、私は人に可愛がられているゆっくりをいじめたくてね。でも駄目だった。私は真面目すぎたんだ・・・」 そう、人に飼われているゆっくりは虐待してはならない。 「ルールを守って楽しく虐待・・・」 「その通り」 一度手を鳴らし、先生は俺に手を差し出した。 同じ趣向を持つものを、心から歓迎してくれているのだ。 「だからルールを守って痛めつける方法を探したんだ。それがこのゆっくりにっくだよ」 「先生っ・・・!」 差し出された手を、俺は強く握った。 いままで何人もの虐待お兄さんを見てきたが、まさか加工所以外で虐待を仕事に持ち込む人がいるなんて。 俺は素直に感動していた。 そして、こんな素晴らしい先輩に出会えたことに感謝をした。 「鬼井君の行動や言葉から、虐待お兄さんのニオイがしたんだが、聞いて正解だったよ」 「え・・・?そんなにバレバレでした?」 ふふ、と先生が笑った。 「同じ虐待お兄さんだからね。要所要所で同類の臭いを感じたよ」 俺は上手くごまかせていると思ったのだが、そんなことは無かったようだ。 同じ虐待お兄さんの俺は、全然気が付かなかったというのに。 「ま、鬼井君もだいぶゆっくりの体で遊んでいるみたいだから、こちらとしても助かるよ。助手、これからもよろしく頼むよ」 「ええ、まかせてください」 俺は拳で胸を叩いた。 作:アルコールランプ このSSに感想を付ける
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※CAUTION!! 個人的なゆっくり解釈が含まれております 分かりづらい言い回しとかあります 文才無いです ゆっくりは無垢で純粋な生物で決して悪意という類は存在しない。 だがそれが代えって問題なのだ。 悪意が無い故に罪の意識がなく、自らが正しいと考え、過ちを正そうとしない。 ゆっくりはただ純粋に傲慢で、 純粋に怠惰を貪り、 純粋に後先考えず暴食を繰り返し、 純粋に思い通りに行かない事に憤怒し 純粋に色欲に囚われ、 純粋に自分より優れている相手に嫉妬し、 純粋に強欲となり身分不相応の物を得ようとする。 ~悪意のないゆっくり~ 「ずるいんだぜ・・・くずのくせにはまりさよりずっとゆっくりしてるんだぜ」 とある人里の近くにある原っぱ。 その近くの雑木林の陰からゆっくりまりさが一匹、ある場所を睨み付けていた。 其処にいたのは一匹のめーりん、と彼女と戯れている人間。 めーりんの帽子には飼いゆっくりの証であるバッジが付けられており、 隣の人間はめーりんの飼い主なのだろう。 めーりん種は人語を話せないが高い知能を持ち、本能的に何かを守る習性がある。 しかし、ゆっくりは人間以上に異端を受け入れない。 飾りを失った同胞,奇形、それが自分の子であったとしてもだ。 故に喋ることの出来ないめーりんもそれに該当し、ほかのゆっくりからくず呼ばわりされている。 だが高い知能を持った数少ない良識を持つゆっくりは決してそのような差別もしないしする来もない。 それはゆっくりの無根拠な優劣感を持ち合わせていないのと同時に、 めーりんを虐げたゆっくりは大抵めーりん種とは仲の良いふらんの死に近い制裁を受けてしまう事を知っているからだ。 だが学習能力の低い彼らは決して一歩も進歩することなく異端を爪弾きし続けている。 だからまりさは許せなかった。 自分より劣っていると思っているめーりんが人間と仲が良く、 自分より劣っているのに自分よりもずっとゆっくりしている事に。 このまりさは子持ちの家族であり、それと同時にゲスだった。 まりさは性欲を持て余していた所に一匹のれいむに一目惚れし、 そのまま番(つがい)となりすぐに性行為へと走った。 そして大家族となり一時は幸せだった。 だがこのまりさはゲスだった。 大家族となると大量の餌が必要だったが生まれた子は皆植物型。 まりさはそれを利用し自分が赤ん坊の世話をしれいむに餌集めを強要させた。 れいむによって集められた餌は節約すれば3日は持つ量だった。 しかし、赤ん坊の世話で疲れたと無茶苦茶な理由と付け、大食のまりさは殆ど貪りれいむと子には殆ど行き渡らず、 子供達は足りないとれいむに罵声を浴びせる。 れいむが寝る間も惜しんで集められた餌の大半はまたまりさに食い尽くされ、 遂にれいむは空腹と疲労で過労死してしまった。 だがまりさはれいむの死の原因を分かろうとしないどころかれいむを役立たずと罵倒し、 れいむを死を悼むことなくれいむを食べた。 その時だった。過労の苦痛によりれいむの餡子は非常に甘く、まりさは初めて同族の味を覚えてしまった。 それから、舌の肥えてしまったまりさは草や虫では満足出来ず、対には自分の子を食べ始めた。 だが最後の子は食べる前に巣の外に逃げ出してしまい、まりさがその子を食べた時は巣の外、 近くに巣を持っていたゆっくりに見つかってしまった。 同族殺しは捕食種を除いたゆっくりの中では絶対禁忌、これを破った場合殺されるのが関の山だ。 だがまりさは饅頭を食べただけで同族を殺したことを全然自覚していなかった。 それにずっと巣の中に籠もりっきりの上に大量の餌を食べていたまりさはでっぷりと太っており、 運動神経も鈍くあっさりと捕まってしまい、他のゆっくり達から体当たりをくらい、石を投げつけられ、 日が暮れた頃には痙攣した饅頭となり、ゆっくり達はまりさをそのまま放置した。 後は捕食者の餌となるだろうと考えたのだろう。 まりさにとって此処が年貢の納め時だったのかも知れない。 だがまりさはしぶとかった。自分が命を奪った者でありながら生への渇望が尋常ではなかった。 まりさは自力で起きあがると近くの巣を襲い、巣の中のゆっくりと餌を貪り食い生きながらえた。 その後、隙を見計らい、此処のゆっくり達に復讐する為力を付けようと思い巣を出て行った。 そして今に至る。 「ごゔぉじでぎや゙ず・・・ぐずゔぉに゙んべんゔぉぐいごゔぉじでや゙る゙・・・」 今のまりさには逆恨みと言う名の憎悪しかなかった。 自分の過ちを理解していなかったまりさにとって、 自分が一番ゆっくりするべき存在だったのに、前にいた頃のゆっくり達にそれを妬みにされ理不尽な暴行を受け死にかけ、 今目の前には自分より劣っているくずめーりんが今の自分よりもとてもゆっくりしている事に非常に妬ましく腹立たしかった。 もはや今のまりさには理不尽な腹いせしか残っていない。 まりさはすぐさま人間とめーりんの後を付いていった。 そして、人間とめーりんは自分の家である民家へと入っていった。 まりさはそれを見逃さず、すぐにその家に入ろうとした。 今まりさの中ではくずと人間を殺した後この家を乗っ取り、自分が大いにゆっくりしようと考えていた。 だがそんな皮算用も無い無謀な計画もすぐ後に砕け散った。 「どういうことなんだぜ!はいれないんだぜ!」 今の今まで森の中で生活してきた上に最近まで引きこもっていたのだ。 留守を狙ったり窓ガラスを割って侵入するなんて知恵は持ち合わせて無かったのだ。 「い゙れ゙ぇゔぉぉぉぉぉぉ!!ばじざをゆ゙っぐじざぜぇろ゙ぉぉぉぉぉぉゃ!!」 自ら生み出した恨み辛みが募っていたまりさは、ただでさえ小さい堪忍袋の緒が切れ。 目をギョロリと見開き玄関の前で金切り声を上げた。 「誰だよるせーな・・・なんだゆっくりか」 その騒音に中の男が玄関の戸を開け、その声の正体がゆっくりだと分かると男は潰すために片足を上げた。 だがまりさはそれを見計らい、男の下をすり抜け民家へと侵入した。 まずまりさのやることはくずなめーりんを喰い殺しその後人間を殺す算段だった。 「おっと捕まえた!まったく隙がないたらありゃしない」 だが、ゆっくり自体移動のスピードはかなりおそい。 まりさはすぐに男に後ろから掴まれ捕まってしまった。 「ばなざぇぇぇぇぇ!!ばじざゔぁずぐに゙ぐずゔぇーり゙ん゙ゔぉごぞずん゙だゔぇぇぇぇぇぇ!!!」 ただでさえ大した思考が無い上に怒りで完全に餡子脳が回らず、 相手がめーりんの飼い主である事を忘れてしまっていた。 男は溜息を吐くと無言でまりさを持ったまま居間の方へと歩いていった。 必死でもがくまりさの目に飛び込んだのは、自分が殺すべき存在であるめーりんがいた。 「ぐずゔぇぇぇぇぇぇじん゙!!!びゔぁずぐごろじで・・・・・・・・」 一方的な仇敵の前に殺意を剥き出しにするまりさだが、その思考はすぐ真っ白へと変わった。 「ゔぁぶでゔぁんがい゙り゙ゅゔぉぉぉぉぉぉぉ!!?」 何故なら、めーりんの隣にはゆっくり総じて驚異でもある捕食種、ふらんがいたのだ。 それも体付き、その戦闘力はゆっくり基準では計り知れない。 「ほらよふらん、汚れないように外で遊んできなさい」 男はふらんにまりさを見せると無言で頷き、男がソレを投げつけるとキャッチし、庭の方へと駆けていった。 実は、このふらんも男の飼いゆっくりで、ゆっくりに虐められたかなんかして傷付いて倒れていためーりんを拾うとセットで付いてきたのだ。 それからと言うモノ、飼われてゆっくりしているめーりんに嫉妬したゆっくり達がめーりんに変わってこの家に住もうとほぼ毎日やって来て、 その度に男は4~5分しか保たないふらんの遊び道具になってもらっている。 だがこう何度も家にやって来てはおちおち出かけることも出来ない。 そこで、近くのゆっくりブリーダーの助言で、ふらんの玩具としての役割を終えたゆっくりの飾りを家に吊し、 飾りに付いたゆっくりにしか判断できない死臭でゆっくりは寄ってこなくなった。 しかし、このまりさは同胞の味を覚えてしまっている。 その為、ゆっくりの死臭は全くもって気にならなかったのだ。 それが災いだったのかもしれない。 「ゆっくりしねぇ!!」 「ぎゃぶぅ!!」 庭に出たフランはまず顔ど真ん中を殴った。 更に何度も殴りつけ、地面に投げつけると何度も踏みつけた。 その後まりさを拾い上げ、まりさはこれで終わったと思いきやそのまま地面にビタンビタンと打ち付ける。 そこでふらんの手が滑り、まりさは放射線を描きながら少し離れた所に落ちる。 まりさの体は完全にボロ雑巾のようで、体中にお出来た傷から餡子が漏れていた。 だが致死量じゃない、それだけがまりさにとって救いだった。 もはやまりさの怒りはもはや完全に有頂天だ。 兎に角自分の気に入らない、自分のゆっくりを妨げるヤツは全て皆殺しにするつもりだ。 「じぃぃぃぃぃぃぃぃゔぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 まりさは生まれ持ったしぶとさで起きあがると、同族を喰らった歯でふらんを食いちぎろうと飛びかかった。 「れーう゛ぁていん!!!」 傲慢な性格と煮えたぎった怒りがまりさの思考は完全停止し攻撃へと促し、それが仇となった。 ふらんは近くにあった木の棒を拾うと飛びかかるまりさを思いっきり殴りつけ、 その拍子に砂糖菓子作りの歯が何本か砕けてしまった。 その後地面へと叩き付けられたまりさをふらんは見境無く殴り続ける。 そして、棒が折れ折れた部分をまりさの眼球に突き刺し、帽子を破り捨て、髪の毛を引きちぎり、歯を全部抜き取り、 2倍に腫れ上がった溺死の禿饅頭となった所でふらんの攻撃は止んだ。 こんな状態でもまりさは性懲りもなく復讐の怒りを燃やし、こなまま死んだフリをし、 隙を見てふらんを殺そうと考えていた。 だがふらんはまりさが死んだから遊ぶのをやめたわけではない。 沢山遊んだ事で小腹が空いてしまったのだ。 なのでふらんは座り込むとまりさを掴む。 そしてまりさの体に牙をたて、餡子を吸い上げた。 「あまあまー!!」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙・・・・ゆ゙・・・ゆ゙・・・」 まりさは体の半分以上の餡子を吸い取られた為、思考には怒りや憎しみは消え失せ、 痙攣した奇声を発する饅頭と化し、最後は物言わぬ革袋となった。 その後、男に呼ばれたふらんは皮を投げ捨て家の中へと入っていき、 入れ替わるように夕立が降り注ぎまりさの皮を完全に溶かしていった。 こうして、悪の限りを尽くしたまりさは見事な天罰を受け死んでいった。 だが、このまりさには決して悪意は無かった。 番を死なせた事も、我が子を殺した事も、めーりんに逆恨みをした事も、まりさには悪気の一つもなかった。 もう一度言うが、 ゆっくりは無垢で純粋な生物で決して悪意という類は存在しない。 だがそれが代えって問題なのだ。 悪意が無い故に罪の意識がなく、自らが正しいと考え、過ちを正そうとしない。 ゆっくりはただ純粋に傲慢で、 純粋に怠惰を貪り、 純粋に後先考えず暴食を繰り返し、 純粋に思い通りに行かない事に憤怒し 純粋に色欲に囚われ、 純粋に自分より優れている相手に嫉妬し、 純粋に強欲となり身分不相応の物を得ようとする。 そして、決して悪に染まることなく、己の罪を自覚しないまま、その命を散らす。 来る日も来る日も、ずっとゆっくりするために、この地に生を受けそして瞬く間に消えてゆく。 今日もまた何処かで、"悪意のない"ゆっくりは死んでいく。 どうもsageの人です。 ゆっくりって悪いこと自覚してるのか?と考えついて書いてみました。 他の駄作共 猫と踏み切りとゆっくりと ゆっくり苺大福 真のドゲスまりさ このSSに感想を付ける
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注意事項 「性」要素あり。 人間は虐待しません。なので、虐待成分は薄めかもしれません。 ナレーションが地の文の役割を果たしているので、描写が不足&単純かもしれませんがご容赦ください。 設定は一応現代ですが、あまり関係ないです。 NYK撮影のドキュメンタリー 「ゆっくりの一年」 皆さんは、ゆっくりがどのように一年を過ごすのかご存知でしょうか? ゆっくりには、ゆっくりなりの季節の過ごし方があります。 今回は、皆さんにゆっくりれいむとゆっくりまりさの夫婦5家族を一年間密着して撮影した記録をご覧になっていただきます。 季節は春 長い冬を終え、雪は溶けて新緑が萌える季節です。 そして、越冬を終えたゆっくりが巣から出てくる季節でもあります。 「ゆゆゆ、ゆっくりしていってねー!!」 おや、そうこう言っている内にA家族のゆっくりまりさが厳重に戸締りしていた入り口を開け放って飛び出してきましたよ。 「ゆぅ~ぽかぽか暖かいよー」 その後ろから、ゆっくりれいむもゆっくり出てきましたよ。 「ゆ!おうちでのこりのご飯たべたら、ゆっくり狩りにいこうね!」 「そうだね!ゆっくり むーしゃ、むーしゃ、しようね」 どうやらこの夫婦は食料を残したまま無事に越冬を終えたみたいですね。 ゆっくりの中には秋に餌集めを怠ったり量が集められなくて巣の中で餓死してしまう家族もいますから、この夫婦は優秀なゆっくりと言えるでしょう。 さて、他のゆっくりはどうなっているのでしょうか? 「ゆ~きょうはこののこりのご飯で、ゆっくりしようね!」 「ゆっくりしようね!」 「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」」 どうやら、B家族もA家族と同じように無事に越冬できたみたいですね。 「ゆ~、ゆっくりしないでご飯たべにいこうね」 「ぽんぽんがぐーぐーなって、ゆっくりできないよ」 おや、CとD家族は元気がありませんね。 どうやら餌が少なかったのか、はたまた無計画に食べてしまったのか途中で餌が無くなってしまったようですね。 しかし、狩りにいく元気はあるようなので大丈夫でしょう。 さて、最後のE家族は・・・ 「ゆぅ・・・ゆっくりしないでご飯たべてくるんだぜ・・・」 おやおや、ゆっくりしないでと言いつつ、ゆっくり這いながら森の中へ入っていきましたよ。 でも、おかしいですね。番のれいむがでてきませんよ?ちょっと巣の中を見てましょう。 おやや、中はスッカラカンですよ。 餌がないのは当然としてもベッドや防寒用として使う葉っぱや藁などが見当たりませんね。どうやらお腹が空いて食べてしまったみたいです。 そして、床に何か落ちてますよ?この赤と白のリボンは・・・おそらく番のれいむのものですね。 どうやら空腹に耐えかねて共食いをしてしまったようです。 「うっめ!これめっちゃうっめ!」 先ほどのまりさが虫を食べていますね。よほどお腹が空いていたんですね、周囲を気にすることなく一心不乱に食べています。 しかし、季節は春。目覚めるゆっくりは他にもいます。当然その中には・・・ 「ま゙りさああぁぁぁぁ!!!ごんなどころでわだじをばっでいたのねええぇぇぇぇぇ!!!!」 「ゆゆゆゆっ!!ありすぅぅ!?」 あらら、ありすに見つかっちゃいましたね。 冬眠を終えた直後のありすは冬の間中積み重なった性欲が爆発するので、ゆっくりにとっては非常に危険な存在なんですね。 「ゆっ!ゆっくりしないで逃げるんだぜ!!」 「わだじを捕まえてごらんってわ゙げねええええぇぇ!!もえるわ゙ああああぁぁ!!!!」 ぴょんぴょんと跳ねて逃げていますが、まだ完全に栄養を補給したわけじゃありませんから、ありすにどんどん差を詰められていますね。 「づかまえ゙だわよぉぉぉぉっ!!!わだじのあいをうげどめでねぇぇぇぇぇっ!!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!やめてぐれなんだぜぇぇぇ!ま゙りさにはれいぶがいるんだぜぇぇぇっ!!」 おやおや、自分で食べてしまったれいむを使って命乞いしようとしていますね。どうやらこのまりさは、げすまりさのようです。 でも、レイパー化したありすにとっては・・・ 「んほぉぉぉぉぉおぉぉ!!!ま゙りさは、ひどづま゙だっだのねえええぇぇっ!!!ますますもえるわ゙ぁぁぁああぁぁっ!!!!!」 やっぱり、こういうことになります。それにしても、人妻なんて言葉どこで覚えるのか不思議です。もっとも「人」ではないんですけどね。 「いい゙わ゙ぁぁぁ!!さいごお゙ぉよ゙ぉぉぉぉっ!!!い゙まならおぞらもとべるぐらいぎぼぢいいいわああぁぁぁぁぁああぁっ!!」 「ずっぎりぢだくないんだぜええぇぇ!!ゆっくりしないでやべるんだぜええええ!!!」 「つんでれなまりさもい゙い゙わあああああぁぁっ!!ひどづまでつんでれなんでさいこおぉぉよおぉぉぉっっ!!! んほぉおおおおおおお!!!もうい゙ぐわ゙あ゙あ゙あ゙ああぁぁぁ!!!!ゔげどめ゙でね゙ばでぃざあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」 「「んほぉぉぉおおおおお!!!すっきりーーーーーー!!!!!!!」」 おっと、すっきりーしましたね。植物方の出産では交尾を終えた母役ゆっくりの頭から茎が生えてくるんですねー ここから実のように赤ちゃんが実るわけですが、その際に大量の餡子を吸われるので、それが原因で死んでしまうゆっくりもいます。 「ゆぐぐ・・・・・・」 瀕死ではありますが、どうやら助かったようですね。しかし、長い冬眠でヘドロのように積み重なった性欲をこれぐらいで発散できるわけもありません。 「ごんどはびょうじゃくなのぉぉぉ!?「ひとづまつんでれびょうじゃく」だなんてとかいはだわあああぁぁっ!!ぺにぺにもふっがづよおおぉぉぉおぉぉぉぉ!!」 「ゆ゙ゆ゙ゅ゙ーーーーーーーー!!!!!」 こうなってしまったらもはや助かる見込みはないでしょう。早々に1家族が大自然に帰しました。 さて、他の家族は夫婦で交尾をしていますね。 秋から冬は交尾すると冬眠の際に住宅や食料で問題が起きますから、後先を考えるゆっくりは春に交尾をするのが普通なんですねー 「「すっきりーーー!!!」 おや、A家族が交尾を終えたようです。母役のれいむから茎が伸びてきましたよ。 「れいむゆっくりできてる?」 「ありがとうね、まりさ!すごくゆっくりできてるよ!」 妊娠したゆっくりは巣の中で安静に過ごすのが普通です。 そのため父役のゆっくりは餌を集めるのは勿論のこと、葉っぱややわらかいものを集めて番や生まれる赤ちゃんのためにベッドを作ってあげるんですねー どうやらこのまりさは、もうベッドを作ってあり餌も大量に集めているようですね。これならば、れいむもゆっくりできるでしょう。 BもC家族も同じように準備ができていますね。 「ゆ~これがあかちゃんようのてーぶる!こっちがいすだよ!!」 「ゆゆっ!さすが、まりさだね!これならあかちゃんもゆっくりできるよ」 おや、D家族はさらに家具まで用意していますよ。 ゆっくりは家具と称して石や木を巣の中に置くことがあります。 冬眠での準備不足を反省したのか、今回は準備万端のようですね。 通常、茎が生えてから赤ちゃんが茎から落ちてくるまで1~2週間かかります。 ここで赤ちゃんが生まれてくるところまで時間を飛ばしてみましょう 「「あかちゃん、ゆっくりうまれてね!」」 A家族の赤ちゃんが、自ら体を振って茎から落ちようとしていますね。 こうなると、もう数分も待たずに生まれるでしょう。 おっと、赤ちゃんが生れ落ちましたね。れいむ種が2匹とまりさ種が2匹のようです。 「「「「ゆっくちしていっちぇにぇ!」」」」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 無事に生まれたようです。B、C家族も同様のようですね。 おっと、D家族も生まれるようですよ。 「ゆゆっ!あかちゃんすごいげんきだよ!これならしょうらいは狩りのめいしゅになれるよ!」 「たくさんごはんあつめてきたかいがあったね!」 D家族の赤ちゃんは大きく体を振っていますね。 赤ちゃんは妊娠中に母ゆっくりが、どれだけゆっくりしていたかや餌の食べた量に発育が影響されるんですねー 家具を取り揃えたり、餌を大量に集めていただけあって赤ちゃんも凄い元気ですよ。 「うまれるよ!れいむとまりさのあかちゃんうまれるよ!!」 「ゆっくりしないで、はやくうまれてきてね!!」 おやおや、嬉しさと期待のあまりか赤ちゃんに「ゆっくりしないで」って言ってますね。 でも、赤ちゃんも親の期待に応えようとしているのか、さらに体を大きく振っています。 お、ついに茎からちぎれましたよ。 「ゆっくちし、ゆげぇ!!!」 「「・・・・・・・・・・・・・ゆ?」」 あらら、元気に体を振りすぎたせいで落ちる時に横に飛んでしまいましたよ。 そして、横に置いてあった家具の枝に突き刺さって死んでしまいましたね。 「「でいぶとばでぃざのあ゙がぢゃんがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!」」 期待していた赤ちゃんが死んで悲しんでますね。 でも、ここは泣き叫ぶのではなくて他にやらなければならないことがあるはずですが・・・ 「ゆっきゅちしないでうみゃれるよ!!」 まだ、茎には3匹の赤ちゃんが残っていますが、たったいま起きた惨劇には気づいてないようです。 さっきの赤ちゃん同様に体を大きく振って・・・あ、落ちましたね。 「ゆっきゅ、ゆべっ!!!」 今度はテーブルとして使っている石に当たって餡子を吐き出して死にましたね。 「どぼじでごゔな゙る゙の゙おおおおぉぉ!!!!!」 「あがぢゃん、ゆっぐりうまれてえええええええ!!!!」 「「ゆゆ?わきゃたよ!ゆっくちうみゃれるね!」」 ここでようやっと体を大きく振らすのをやめましたね。 おかげで、残ったれいむ種とまりさ種1匹ずつは無事に生まれてきました。 「「ゆっくちしていっちぇね!!」」 「「あがちゃん、ゆっぐりしでいっでね!!」」 まだ、先ほどの悲しみが残っているようで親ゆっくりは泣いていますね。 何はともあれ、残りの春はどの家族も無事に過ごせたようです。 では、季節を夏まで飛ばしてみましょう。 つづく 後書き 処女作だというのに、こんな変り種を書いてしまいました。 本当は春・夏と秋・冬の2部作にしたかったのですが、執筆スピードが遅いのでとりあえず春編だけでもUPしておきます。 書きなれていないため、色々と読みにくかったり詰まらなかったりする点もあると思いますので、皆さんのご指摘お待ちしています。 このSSに感想を付ける
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苗取歌 初出 ゆっくりしていってね!!!のガイドライン ★127 ■苗取歌”上” _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; ゝ、 |__」/_」_ ソ ,.イ | i ,' ! (ヒ_] ヒ_ン ).! / ,' !_ハ_! ,ハ"" ,___, "" !コ i ---では、このお守りをお持ち下さい ソーr' ! ヽ _ン r'´二.ヽ ', ;' ノノ>.、.,_ ,.イ/´ _iノヽ i 八坂様は風雨を司る神でいらっしゃいますから i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ きっと豊作に恵まれますよ ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' ┌ヘ、_)、ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_ │御│ /二_'i | | ) `i Y´_,.]、 | 柱 | / / | !| / !゚zD゚) ', /i´'; ` ,.く ヽ、__! !|レ'"´`'┬'´ ヽ、 i._、'; ! / `ー‐‐‐'、ヽ、 rヘ. //ヽ <・・・そんなに都合良くいくものかね・・・ この日照り続きじゃとても・・・ _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i 信じてお祈り下さい ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | 微力ですけど私の力も添えさせていただきますね i ,' ! ' _ _ ` ! / ,' !_ハ_! ,ハ ⌒ _ ⌒ !コ i きっと良いことが起こるお守りです ソーr' !'" ヽ 〕 ""'r'´二.ヽ ', ;' ノノ>.、.,_ _,. イ/´ _iノヽ i i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' 、_)、ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_<はあ・・・そうなるといいが・・・ _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | i ,' ! (ヒ_] ヒ_ン )! / ,' ・・・ふう !_ハ_! ,ハ"" "" !コ i 信仰は地道に ソーr' !'" 、 'r'´二.ヽ ', 獲得していかなければ ;' ノノ>.、.,_ _,. イ/´ _iノヽ i ダメよね・・・ i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' 、_)、ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_ /二_'i | | ) `i Y´_,.]、 __/ / | !| / !゚zD) ', /i´'; ` ,.く ヽ、__! !|レ'"´`'┬'´ ヽ、 i._、'; ! / `ー‐‐‐'、ヽ、 rヘ. //ヽ _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i あ ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | そろそろお昼の時間か i ,' ! (ヒ_] ヒ_ン )! / ,' 出店で何か買って帰ろうかな・・・ !_ハ_! ,ハ/// /// !コ i ソーr' !'" 、 'r'´二.ヽ ', 確か、あの通りに美味しそうな五平餅のお店が・・・ ;' ノノ>.、.,_ _,. イ/´ _iノヽ i i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ・・・? ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' ぐううっ> 、_)、ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_ /二_'i | | ) `i Y´_,.]、 ,.-‐(゚~゚) で険まl /,Lイi_ハ ノ /) すしだl あ ・ !ハ(0 0)!イ( ねいまl ,.-‐(゚~゚) ・ ・ `ソー^、イz'ハ) : みだl /,Lイi_ハ ノ /) ・ ・ / ヽ 八た道l !ハ(0 0)!イ( ・ ・ _/ l ヽ 坂いはl _ソー⊃、イz'ハ) ・ しl i i 様 l / | | \ ・ l ート : l /|/ | |\|\  ̄ ̄¨¨~~ ‐‐‐---─| | | | | | |ヽ おーい巫女さーん>| ( )/ | | ヽ_|( ) 、 l ┌ヘ、 | ヽ - ,.-‐(゚~゚) l │御│ / ヽ ´ /,Lイi_ハ ノ /) l | 柱 | / ヽ !ハ(0 0)!イ( l _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | i ,' ! (ヒ_] ヒ_ン )! / ,' あ・・・はい? !_ハ_! ,ハ"" "" !コ i 何でしょうか? ソーr' !'" ⊂⊃ 'r'´二.ヽ ', ;' ノノ>.、.,_ _,. イ/´ _iノヽ i i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' 、_)、ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_ /二_'i | | ) `i Y´_,.]、 __/ / | !| / !゚zD) ', /i´'; ` ,.く ヽ、__! !|レ'"´`'┬'´ ヽ、 i._、'; ! / `ー‐‐‐'、ヽ、 rヘ. //ヽ<ああ・・・突然呼び止めてごめん いや 最近君が街でお守り配ってるのを見かけるからさ 熱心だなって思って その・・・神様だっけ? _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | i ,' ! ,ー、 ,ー、 )! / ,' あ・・・いつも失礼してます !_ハ_! ,ハ// ,___, /// !コ i ソーr' !'" ヽ _ン 'r'´二.ヽ ', ええ・・・私たちの神社の神様は農業の神様ですから ;' ノノ >.、.,_ _,. イ/´ _iノヽ i みなさんの暮らしも身近な神様なんですよ i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ レ'⌒ヽ ハノ<そうなんだ 今度ゆっくり話を聞かせてくれよ _,,.. -- 、__,,..,,__ | ,. -<. `ヽァo、`ヽ. バ | 気悪こ´ ) ';`ー゚) '、 チ | でごあ をいの ; ! i'´ .i ィ | はざり ,.-‐(゚~゚) 付妖あ _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ッ | 失いが/,Lイi_ハ ノ /) け怪た'; ゝ、 |__」/_」_ ソ ,.イ | | 礼まと!ハ(0 0)!イ( ても り.! ///////////.! / ,' j! / | しすう `ソーヮ、イz'ハ) な出は,ハ"" ,rェェェ、 "" !コ i ノノし'!, | ま /| |ヽ る' ! |,r-r-| r'´二.ヽ ', ヽて | す /~| |~ヽ かノ>.、.,`ニニ´ ,.イ/´ _iノヽ i , ノ(` | / | | ゝ ら<あーあー・・・ 警戒心がまるでないな 新参者ってのは本当だな 悪いのは妖怪だけじゃないってのによ へへへ巫女さんだぜ巫女さん 久しぶりに楽しめそうじゃないか なそ ,.-‐(゚~゚)縄なlいれ/,Lイi_ハ ノ をわl こあ よよは!ハ(0 0)!イ 解っl れ ` う 縄`ソー⊃、イz' い ・l はあ ,.-‐(゚~゚) お じ / ヽ て ・l 何な /,Lイi_ハ ノ /) 目 ゃ | l ヽ 下 ・l 事た !ハ(0 ー!イ( 覚 l i__i さ l で達 _ソー⊃、イz'ハ) め l ,ー' い l すは /| |`ヽ か ̄ ̄¨¨~~ ‐‐‐---─| か : | | | | い ____」_ | : さ ヽ| |ソ 早 |Nitori| カ l ?! っ | | 苗 /|ノ )t) | チ l き | ヽ ち | ノ__」 ッ l の / ヽ ゃ | | l : / ヽ ん ̄ ̄ ¨¨¨ー─‐‐--- ,,, __ ____人人人人人人人___ | ̄¨¨` ー──---─────だ、ダメぇっ・・・ <o、`ヽ 例す| も河ヒ ^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄`ー゚) '、 えご| ら童ミ こ な ; ! i'´ .i ばい| っにツ ,.-‐(゚~゚) れ ` _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i こだ| た作の /,Lイi_ハ ノ /) は何'; ゝ、 |__」/_」_ ソ ,.イ | うろ | んっ手 !ハ(0 0)!イ(__ ・ な.! (◯), 、(◯).! / ,' や | だて錠 「~`ソーロ、イz'「 」 ・ ん,ハ/// ,rェェェ、 ///!コ i っ | だ 「 ̄「| |`i ̄| ・ で' ! |,r-r-| r'´二.ヽ ', て | よ ヽ_/| |\_ノ すノ>.、.,`ニニ´ ,.イ/´ _iノ すっ | | | か (中略)<どれ、試しに お知りの穴のシワの数でも数えてあげようか いっぽーん にほーん _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; ゝ、 |__」/_」_ ソ ,.イ | なっ・・・何をっ・・・!! i ,' ! (ヒ_] ヒ_ン ).! / ,' !_ハ_! ,ハ | |/ / / / | | !コ i や、やめて下さいっ・・・!! ソーr' !' | | , -- 、 | |r'´二.ヽ ', ;' ノノ>.、.,ー'⌒ー' ,.イ/´ _iノヽ i i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ', ! /,'r'7´  ̄ ヽi / レ'/ i`7 、_)、ノヽ/ヽ/7 i(二`ヽノァこ_____〉」,,..,,_ /)/ ;' ) `i Y/ '´ `ヽ. r'´// / !゚zD゚) ; ' 、 ン'´ ,'iレ'"´`'┬ ;' i ' , / |`'ァiン / ;' ;ハ / / i/,. ' / ; -‐ァ、 ! __;; ! ,.へ.,/ ,' / ;' //´`ヽ; ///´ `ヽ r'______>、__ __」____i i / ムイ/ / ヽ、  ̄ `'ー--=ニ!二! ___ i、r/‐-i __ V´ ヽ、.,______ソ' ̄´`ヽ、,_____ノ <にじゅっぽーん にじゅういっぽんッ!! わかった早苗ちゃんのお尻の穴のシワは21本だ! ほら言ってみな早苗のお尻のしわは21本ですって _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | i ,' ! 旡≧/ /≦乏 )! / ,' !_ハ_! ,ハ!| |/ / / / | | !コ i いっ ソーr' !'"| | , -- 、 | | ヽ _ン 言えませんッ・・・!! ;' ノノ >.'| ー'⌒ー'_ | |iノヽ i (中略)<へへ・・・これでどっちの子供か分からなくなっちまったな・・・ 神様によろしくな、早苗ちゃん あなたの巫女は俺たちが汚しちゃいました~ってな それとも、巫女やめて俺らの奴隷になる? _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! ; ! i'´ .i うくっ・・・・・・ ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i ひっ・・・ ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | ひっ i ,' ! 旡≧/ /≦乏 )! / ,' はっ !_ハ_! ,ハ!| |/ / / / | | !コ i ううっ・・・ ソーr' !'"| | , -- 、 | | ヽ _ン ;' ノノ >.'| ー'⌒ー'_ | |iノヽ i _ | | ,.-‐(゚~゚) | | /,Lイi_ハ ノ /) | | !ハ/////!イ( | | _ソー-、イz'ハ) ザッ ( ̄) ̄|_| | \ .| 「| / | |\|\ ザッ | ||/ | | | |ヽ | | | | ヽ_|( ) | | | ヽ ∥ヽ / ヽ ///ヽヽ/ ヽ <-なえっ 早苗っ _,, _,,.-―-、.,_,. <  ̄ヾ´ ヽー‐-、, `ソ-‐、 ,' - ― ― -.ヽ ヽ、__ _ノ , _.z=======ゝ、_ヽ _ノ´ ヽ _,,.. -- 、__,,..,,__,,..-ァ , ''/ヽ'、 ,´ ̄ ̄ ̄`"' .\ヽ ', ,. -<. `ヽァo、`ヽ. 早)・・・ああ、八坂様ですか ノ∧' ´ フ´ ヽ ヽ , '7´ ) ';`ー゚) '、 すみません、何でしょうか /i .∨ レヘ/ %A ,' ', ', `i'-、_ノヽ, ノ ! ; ! i'´ .i ∧ i / 、__, i i ヽ | ∧i ,. ''"´ ;.' '; _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i 神)あーいや・・・何って言うか・・・∨八 ,' /」__.! /,| ,/、ハ;;ハ , イ ∨!' .;' ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ | 早苗、どこか具合悪いの? ノ ヽ | /´ ( ヒ_] レ' ヒ_ン) イイ ノ i ∧'、 `Y i ,' ! (ヒ_] ヒ_ン )! / ,' 何となくそう見えるんだけど・・・/ l レ'iヘ!" ,__, " i i ヽ./ )` _ノ !_ハ_! ,ハ"" "" !コ i ハ ノ ,' ノ ハ! ヽ _ン 人 ' l !/´`. ' ソーr' !'" ○ 'r'´二.ヽ ', | ,' ノ イ ト> ,、_____, .イ ! ', ノ ,' ∠._ ;' ノノ>.、.,_ _,. イ/´ _iノヽ i !ノゝレ'( i、 ーく,ハ /]ハ ヽ ,'"´ i ./ i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ く`'ーァ1' `( ○く)’ )_`ゝ ノ`イ ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' 、_)、 ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_ _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ _!_ ,! ! /_! ';`ー゚) '、 ノ ! |__」 _」_ i'´ .i ;.' '; ////// (_ )) .,i ,i いえ・・・別にどこも悪くないですよ? ,' '; "" ,___, "" ソ ,.イ | 勘違いなさってるんじゃあないですか i ,' ! .! / ,' !_ハ_! ,ハ !コ i ソーr' ! r'´二.ヽ ', ・・・私、そろそろお夕飯の ;' ノノ>.、.,_ ,.イ/´ _iノヽ i 支度しないと・・・ i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ', ! ァ'レ' レ' i iヽ._/ レ' 失礼しますね 、_)、ノヽ/ / | ! (二`ヽノヽ_神<あ・・・ちょっと・・・ (rr=-)-‐─- ..,,_ `7´ `ヽ.,.._ _,,.. -‐'─-- 、..,,_ (rr=ア) / `゙'' 、T ,' ,.. --──- 、 .,_ `ヽ! '、. / `ヽ. \ `Y . !. /‐/‐! /! /! \ ヽ. |,ハ.__|/ ‐、レ' |/‐ 、 / ∨ 〉 あ、早苗・・・ ´ |/| (ヒ_] ヒ_ン)/| | / /7'" スワこ)|‐ ' / /ゝ、 ⊂⊃ "/ /|_) ,' く/|/| /!,>,、___,,.. / /! 〈 ´ .レ'// ゝ、_ノ/ ト、 , ヽ. i7 ト、 |___」 ∨レへノ _,,.. -‐ァ'"´ ̄`7ー 、.,_ ,ト、_/|___>-‐ァ7"´  ̄`ヽ、 `メ、 , -‐ 、, -─-- 、.,_ く \/|>-‐──- 、., /| \_ノ\ ,.i ( )! `ヽ,. -、 />''"´ ´ ̄ ̄`"' 、 \| \_,ノ 、 ./ ゝ-‐' _____ !. ( ) / \ ' , ∧ ,ハ _,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー ' / ∨ハ ./ |ハ ', 神)早苗 ,. ''"´ /´ / ;' ! ;`ヽ,ヽ、 ,' / __/ /| i ヽ; | ! \.| .|_/| どうしたのかしら・・・? '.、 .;' ', i ´ハ_ _ハ ノ メ !,!ヽ,. ヽ. | ;ハ/トゝ / '、 /_ i '; '、/| | | `Y i Vレ'7;__,.!/ V !__ハ ハノ., ', ノ'; | / | (ヒ_] ヒ_ン )_;ハ | ヽ/ |_/| 諏)うん・・・ _ノ i=ハ ' (ヒ_] ヒ_ンハ.ノi i /∨ 7,, "" |/! / ハ| | `. ' iX| ノ!レノ ! | ト、 ⊂⊃ '/レ' | | | |_/| ∠._ ノ |=ヽ、 ^ ノ!i レ ∨´|\| へ、 / / / ノ / / ,.ヘ,) | |>,、 _____, ,イ| | |/| レへ `>r-‐,∠ __; イ/| ; イ/_,/ ' | !>;`ヽ、「、,ハ.| | \_ \ /´ カナこン´ ` /レ'´ /_,/ \_ \__________/_/ \/_/_/_/_/_/_/___/  ̄ ̄ ¨¨¨ー─‐‐--- ,,, __ ____ _,,.. -- 、__,,..,,__ | ̄¨¨` ー──---──,. -<. `ヽァo、`ヽ. | ) ';`ー゚) '、ガタッ l ,.-‐(゚~゚) ; ! i'´ .i l /,Lイi_ハ ノ /) トントン _!_ ,! ! /_!_ ,i ,i う…ッ l !ハ////)!イ('; ゝ、 |__」/_」_ ソ ,.イ | l `ソー^、イz'ハ) トントン.! (ヒ_] ヒ_ン ).! / ,' l / i ヽ,ハ"" ,-─、 "" !コ i l / /l l !. ! { ̄ ̄ `、 r'´二.ヽ ', l __| i_l__l l__ノ>. ヽ__ ヽ/´ _iノヽ i l i_n)── | |┐. ン´ ,,.ィ`i7こヽ ヽニ、ヽ,ハノ l | || ̄ ̄~/ )| : , -‐ 、, -─-- 、.,_ : _,,.. -‐─- 、,_ : ,.i ( )! `ヽ,. -、: : トヘ-ァ`フ´─-=ニ二ヽ、 ヽ.: : ./ ゝ-‐' _____ !. ( ) : : y´Y´ `ヾ)、: : _,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー ' : : ./ ; '; ヽ; `ヽ.: 早苗!!: ,. ''"´ /´ / ;' ! ;`ヽ,ヽ、 : : ,. ' / ! ; ;ハ ! '; ';:: '.、 .;' ', i ´ハ_ _ハ ノ メ !,!ヽ,. ヽ.: : ノ / ;' ;' /! /ィ'_」__ ! ';: 早苗っ!? :`Y i Vレ'7;__,.!/ V !__ハ ハノ., ', ノ': : , ' ;' ! メ、/ レア レハ! '; !:: _ノ i=ハ (◯), 、(◯).ノ i i: : i i ヽァi(◯), 、(◯) .| )! ノ ' 、: : `. ' iX'i" ,rェェェ、 "'ソノ!レノ: : ゝ、 '、 ハ!"" ,rェェェ、 ". イ ヽ.:: ∠._ ノ |=| 、!⊃ |,r-r-| ⊂!i レ : :`ン)ヘ/i`,. |,r-r-| . / ' ,: : ,.ヘ,) | |>,_`ニニ´_,.,,.イ | | : : ,. ' `'ァ`二_´_ .,.イ! !: : ' | !>;`ヽ、「、,ハ.| ! | : : .( ;' ンr!ー''ヘ'`丶、 ;イ ノ : _,,.. -- 、__,,..,,__ ,. -<. `ヽァo、`ヽ. , '7´ ) ';`ー゚) '、 ノ ! _!_ ,! ! /_!_ i'´ .i _人人人人人人人人人人人人人_ ;.' '; L./ |__」/!_」__ ,i , i 、 > < ,' '; 旡≧/ /≦乏レ ソ ,.イ | ; > うええっ・・・あ < i ,' !| |/ / / / | |! / ,' > ぅ・・・あああぁっ・・・ < !_ハ_! ハ| | , -- 、 | | !コ i > < ソーr' !| | ー'⌒ー'_| |'r'´二.ヽ ',  ̄^ Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ;' ノノ >.、., _,. イ/´ _iノヽ i i ン´ ,,.ィ`i7こ__ノ レ'⌒ヽ ハノ 【”下”へ続く】
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/471.html
「「「おはようございます!」」」 「おはよう、しばらくぶりね。みんな」 ざわざわと、決して狭くない部屋中に騒がしい声が満ちる。 夏休み後の寺子屋は、朝から晩まで、色黒になるまで遊び倒した子供達で一杯だ。 そんな様子を微笑ましく眺めるのは、先生である上白沢慧音。 「夏休みはどうだったかな? ……もちろん、宿題はやってきたでしょうね?」 にこやかに告げる慧音に、ビクっと震える子供が1人。どうやら、たっぷり遊び倒したせいでやって来なかったらしい。 慧音は、笑顔のままで固まった子供をちょいちょい、とその細い指を使って招いた。 寺子屋から、ごつんごつんと硬いものがぶつかる音が聞こえると同時に、悲鳴が響き渡った。 『ゆっくり研究してね!』 「……あれだけ時間があったのだから、ちゃんとやって来なきゃダメでしょう?」 慧音は、夏休み明け初日から頭突きをした事に内心ため息をつきながら、なみだ目の子供の頭をなでた。 どこの世界でも宿題をやって来ない子はいるが、寺子屋に限ってはかなり少ない。 それもそのはず、寺子屋の夏休みの宿題は自由研究だけだし、慧音の頭突きが怖くて痛いからだ。 「じゃあ、みんなのやってきた事を見せてもらいます。机の上に出してね」 宿題をやって来なかった子に「反省する事」と言い残して別の子達の方を向いた慧音は、はーいと返事をする子供達を見て笑顔のまま固まった。 「ゆっくりの一日」「水に入れたゆっくりがどれだけ生きているか」「ゆっくりの食べ物」と、研究内容がゆっくりに対してばかりだったからだ。 何やら透明な箱に入れられて、気が触れた様に笑うゆっくりを掲げている子もいる。 ――ゆっくり以外の研究がないじゃないかっ! 慧音は、頭を抱えてしまいそうになる自分を必死になだめながら、震える手を教卓に置いた。 「じゃ……じゃあ、左前から順番に発表してね」 噛みながらも言えた。ちょっと自画自賛しながらも、それは現実逃避だと頭を振り、発表を聞く慧音。 左最前列の子がちょっと恥かしそうに立ち上がり、発表を始める。 「ぼくは、ゆっくりが一日どうやってすごしているかについて調べてみました。その結果が、この紙に書いてあるものです」 ぺらぺらの紙に書かれたものは、円グラフと色とりどりに描かれたゆっくりの一日について。 それによると、ゆっくりは明六つ辺りまでは寝ていて、暮六つ以降に巣に戻るとなっているらしい。 午の九つ辺りには食事を取り、生意気な事におやつの時間まであるらしい。ちなみに、人間と同じく八つに摂っている。 案外詳しく調べられているそれに、先ほどの光景など忘れてしまった様に慧音はうんと一つ頷いた。 「なかなか詳しく調べられていますね。よろしい、合格です」 頭を撫でられた子供は、真っ赤な顔をして嬉しそうに微笑んだ。 「……じゃあ、次の子の発表を聞きます。君は、何について調べたのかな?」 「ゆっくりです!」 ガタンと、古いバラエティ番組っぽい動きで音を立ててこける慧音。 その様子を見て、自分の研究はダメだったのかとなみだ目になる二番目の発表者に向けて、何でもないと手を振って答える。 ――そういえば、全部ゆっくりだったな。気にしすぎない様にしないと。 落ち着けと自分に言い聞かせつつ、慧音は次の子、更に次の子と発表を聞いていく。 皆が特色ある自由研究をしている。だが、内容は全てゆっくり。 流石に食傷気味だったが、数人聞いて他の子は聞かないなど出来ない。慧音は、鉄の自制心で似た様な研究を聞いていった。 「じゃあ、次のゆっくり……じゃない、君は何について調べたの?」 「はい、ぼくはこのゆっくりについて調べました」 誇らしげに言いつつ、子供は透明な箱を掲げた。 中のゆっくりは完全に気が触れているらしく、ただうふうふと笑っている。 慧音は、その光景にちょっと引きつつも、更に問いかけた。 「えーと……そのゆっくりを使って、何を調べたの?」 「ゆっくりの赤ちゃんを目の前で食べたら、何匹目でうふうふ言い出すか調べました。18匹目でした」 目の前で自分の赤ちゃんを食うのはただの自由研究だったと宣言されても、何も反応を見せずにうふうふと笑うゆっくり。 どれほどの惨劇を目の当たりにしたのか、目がにごっており、口の端からはよだれが一筋流れている。 「そ、そう……すごいわね、あなたも合格」 慧音は完全に引いていたが、この子も研究はキチンと出来ている。やった事は認めなくてはならない。 口の端を引きつらせながらも笑顔を浮かべる慧音は、真に先生と褒められるだけの存在だった。 「じゃ、じゃあ……次の子……ふぅ」 ゆっくりの○○、○○をするゆっくりなど、自由研究と言うよりはゆっくり研究とでも言えるそれの時間はまだまだ終りそうにない。 もうお腹一杯の慧音は、流石に息をついてしまった。子供達にため息だと気付かれなかったのが唯一の幸いか。 「……はい、皆色々な研究をしてきましたね。皆合格です」 やって来なかった奴はー? と聞く子に、その子はまた後からやってもらいますと答えて当人の顔を青ざめつつ、ゆっくり研究は終った。 「ここまで見てきた結果を踏まえて、皆に一つ言いたい事があります」 なんだろーと騒ぐ子供達。慧音は手を叩いて静かにさせてから、おもむろに宣言した。 「次回以降、ゆっくり研究は禁止にします。皆、ゆっくりが簡単に手に入るからって研究しすぎです」 えーと騒ぐ子供達。 慧音は、延々と続くゆっくり研究が終ってくれた開放感を噛みしめつつ、今日の授業を開始する。 その心に、帰り道で会ったゆっくりは即叩き潰そうという物騒な誓いを立てていた。 21スレ459の話を聞きつけて、書いてみました。 グダグダだけど書いてて結構面白かった。 by319 このSSに感想を付ける